幹事クリタのコーカイ日誌2009

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11月30日 ● 「三方一両得」の内藤vs亀田戦。

 昨晩のWBCフライ級タイトルマッチ内藤大助vs亀田興毅の一戦は、12回判定で亀田の勝利。Twitterでも「好試合」という評判でしたが、僕の感想は「亀田の完勝」でした。かなり内容的には差があり、これを好試合と評するのは、内藤に対する判官贔屓でしかありません。ジャッジも大差がついていたし、何より試合後の2人の顔がハッキリと実力差を物語っていました。手塚マンガのように腫れ上がってしまった内藤の顔と、キレイなままの亀田の顔。もし逆の結果だったら「内藤圧勝」という伝えられ方をしたことでしょう。

 ただこの試合の結果が誰にとっても好都合だったという意味では「好試合」だったと思います。勝ってしかも敬語が使えて礼儀正しくなった亀田はタイトルと一緒に好感度も手に入れました。負けた内藤もこれで「よくやった」と称えられながら引退でき、今後のタレント活動に大きなプラスになる試合だったと思います。すでにタレントとしても十分に活躍している内藤ですが、これを踏み台にして本格的にタレント活動をしていく上で良い武器を手に入れたと思います。

 そして何よりTBSにとっては最高の試合でした。単に視聴率が取れたというだけではなく、長年手塩にかけてきた亀田一家の「みそぎ」をこれで済ますことができましたし、今後も亀田一家で番組を作れます。もちろん今のボクシング界で唯一視聴率が取れるカードを独占しています。激しい戦いの末の亀田の勝利、という結末は誰にとっても最高のエンディングでした。見事な「三方一両得」です。

 ところでこの試合の約3時間前にも似たような「好試合に見える圧勝劇」がありました。大相撲九州場所千秋楽の朝青龍vs白鵬戦。朝青龍が必死になって白鵬を攻め立てるが、白鵬は悠然とその攻めを受けきった後に見事に朝青龍を裏返しました。熱戦に見えましたが、実力差は歴然。朝青龍の右肩の故障を差し引いても、もはやかなりの差がついていることがハッキリとした一番でした。白鵬が年間86勝という大記録を作ることができたのも納得です。

 ところでその2番前の魁皇vs琴光喜の一番。7勝7敗の魁皇が地元九州で負け越すわけはないので、後はどう琴光喜が上手く負けるかが見どころだったのですが、魁皇の小手投げ一閃であっさり琴光喜が転がってしまいました。呆気なさ過ぎて笑ってしまうような結果です。ベテラン同士なんだから、もう少し阿吽の呼吸でファンを喜ばすような相撲が取れなかったのかと残念でした。

 これで魁皇は幕内通算806勝。千代の富士の記録807勝まであと1勝となりました。初場所の序盤の話題になるわけですから、今場所は8勝止まりで記録持ち越しだったのは、かえって相撲協会にとっては良かったのかも知れません。


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