幹事クリタのコーカイ日誌2009

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8月15日 ● すごくマイナーな歴史的珍事。

 テニスというスポーツは比較的番狂わせの少ないスポーツです。それは野球のような一発逆転の満塁ホームランがあるわけではないし、サッカーのように少ない得点を争う競技でもないからで、コツコツと多くのポイントを積み重ねていくことでしか勝利を得られません。そういう意味では時間をかけて戦っているうちに実力の差が出てきて番狂わせが起きにくいわけです。

 いまカナダのモントリオールで行われている男子のマスターズ1000という大きな大会で、ベスト8を第1シードから第8シードまでが占めました。順当に全員が勝ち上がったのですから当然と言えば当然。番狂わせの少ないというテニスなのですから、よくあることだと思われるかも知れませんが、実は僕にはこんなことは記憶にありません。大抵1人や2人はシードダウンしているものですし、下手すると8人のうちシードを守ったのが1人か2人ということすらあります。

 どれくらい珍しいことかと思ったら、なんとATPのサイトに載っていました(こちら)。英語なので読むのが面倒くさいという人のために簡単に言うと、1973年にATPが今のランキングシステムを採用して以来、なんと上位8シードの選手がベスト8に顔を揃えたのはATPのツアー大会とグランドスラムでは初めてのことだというのです。年間に何十大会もあって、それが30数年続いていて、それで初めてのことだというのですから、どのくらいの珍事かわかろうというものです。フェデラーの生涯グランドスラムよりもはるかに珍しいことなのです。

 勝ち上がった面子は(1)フェデラー(2)ナダル(3)マレー(4)ジョコビッチ(5)ロディック(6)デルポトロ(7)ツォンガ(8)ダビデンコという面々で、この8人の力が揃って達成できた快挙です。特にダビデンコなんて苦労人が強敵相手に何とかシードを守ったのには思わず目がウルウルしてしまいます。

 それにしても準々決勝からはずっと豪華な対決が続くわけで、モントリオールのファンは羨ましい限り。日本にいてはとてもこれだけのメンバーが揃う大会を見ることはかないませんから、やはり早くリタイアしてグランドスラムを見に行きたいものです。