幹事クリタのコーカイ日誌2009

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8月2日 ● 誠意ってなにかね?

 最近は戦場を引退してしまい、とんと面白い話のないMっちゃん。ネコと遊んでいるのが一番の幸せと、まるで50才にして隠居した老人のようなことを言っています。とは言え、相変わらず愛人の雌豹さんとは毎週お出かけしているようで、またぞろ旅行の計画なども立てているとか。羨ましいような、奥さんが2人いるみたいで大変なような、そんな状況みたいです。

 Mっちゃんはもともと「独占欲がない」「嫉妬しない」と公言してきて、実際に過去の女性たちに対してはそうだったようですが、じゃあ雌豹さんが他の男と遊びに行ったらどう思うの?と聞いたところ「そりゃ許せない」と怒るのです。話が違います。

 Mっちゃんによれば「だってオレはもう今は一筋なのに、そんな誠意をもって付き合っている男を裏切るようなことは許せない」とのこと。なるほどと思う反面、奥さんのことはどこかに置いてきぼりかよ、という突っ込みも思い浮かびます。

 「でもクリタさんだってオレの気持ちわかるでしょ?」と言われてしまい、思わず僕も「う、うん」と頷いてしまいました。これは恐らく独身女性の大半には理解されないことでしょうし、逆に結婚10年以上を経た既婚男性の大半が理解できることだろうとも思うのですが、ある程度夫婦も長くなると、どうやったところで男と女ではなく家族になってしまうんですよね。むしろ、家族でなければ夫婦なんて長持ちしません。毎日の生活に必要なのは刺激ではなく安定ですから。この点については、既婚男性だけではなく既婚女性もかなり多くの人が頷いてくれると思います。

 だから恋愛を外に求めた時には、そもそも配偶者のことは「一人」としてカウントしていないんですよね。だって家族なんですから。そういう意味ではMっちゃんのように婚姻外であっても長い期間に渡って、たった一人の女性と付き合い続けているというのは、男にとってはそれはそれで浮気もしていない「誠意」あるお付き合いだと感じてしまうわけです。

 もちろん、この理屈は奥さんにとっては「バカ言ってんじゃないわよ」ということになりますし、独身女性からは「サイテー」と言われるんですけど、僕の知る限り「ダーリン」がいる既婚女性だって同じことを言っています。ダンナは男じゃない、カウントのうちに入らないと。そういう状況で長年一筋に脇目もふらずに思い続けてきたら、それは「誠意」だと自分が感じてしまうのも仕方ないとは思います。見返りや打算のない愛情だけが全ての恋愛ですからね。ある意味で渡辺淳一ではないですが「純愛」です。

 菅原文太が田中邦衛に問いかけた「誠意ってなにかね?」という言葉、こんな例で引き合いに出されては倉本センセイも不本意でしょうが、誠意ってそんな単純にこうと言い切れるものではないと言うことですね。