幹事クリタのコーカイ日誌2009

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7月5日 ● ウィンブルドンも大詰め。

 テニス界でもっとも注目のイベントであるウィンブルドンもいよいよ大詰めです。昨日の女子シングルス決勝は昨年に続くウィリアムズ姉妹の直接対決。昨年は史上まれに見るハードな打ち合いを姉ヴィーナスが制して連覇を果たしましたが、今年は逆に妹セレナが逆襲。1セット目は双方譲らずタイブレークになってセレナが取ると、2セット目は途中からヴィーナスがペースを崩してしまい、終盤はセレナが圧倒してしまいました。

 強いセレナの強い勝ち方。未だに女子最強はセレナであることをまざまざと見せつけた感じです。対するヴィーナスは芝での強さは十分に証明したものの、相変わらず妹に対すると優しい姉の顔が出てしまうようで、メンタルの強さでは妹に勝てないところがまあ彼女らしいと言えば彼女らしいところでした。

 さて、こうなるとメインイベントは男子シングルス決勝。王者フェデラーにサービス王ロディックが挑みます。この対戦はウィンブルドン決勝では3回目。もちろん過去はフェデラーの連勝。と言うか、ロディックにとってフェデラーは天敵みたいな存在で、過去の対戦成績はフェデラーの18勝2敗。グランドスラムでは7回戦ってフェデラーは1セット落としたことすら一度だけという圧倒ぶりです。

 今大会でロディックは毎回のように激しい戦いを勝ち抜いてきました。特に準々決勝でのヒューイット戦は凄まじいまでのフルセットでの一戦でしたし、準決勝では地元イギリス期待のマレー相手の激戦で、いずれもよく勝ったなという印象。盛り上がる気持ちとは裏腹に、すでにロディックの体は疲労困憊しているのではないかと思います。

 対するフェデラーは余裕の勝ち上がり。ナダル以外は相手じゃないことを証明するかのように、全仏決勝でまみえたハードヒッターのソダーリング、サービスだけなら世界一のカロビッチ、そしてベテランのオールラウンダーであるハースと、タイプの全く異なる強豪たちを苦もなく蹴散らしてきました。そしてロディックと言えば、この3人の武器を組み合わせたような選手ですから、フェデラーはまるでロディック戦の予行練習を行ってきたようなものです。

 決勝まで上がっただけでも「よくやった」感のあるロディックと、昨年失った芝の王者と世界ランキング1位を優勝することでナダルから奪還できるフェデラー。どこからどこを取っても、決勝でのフェデラー優位は動きません。過去の対戦成績からしたってフェデラーの勝率は9割5分な上に、フェデラーの庭とも言うべきウィンブルドンの芝での戦いであることを考えたら、99%以上の確率でフェデラーが勝つと予想できます。

 ただ、それでも勝負事では何が起きるかわかりません。ロディックのサービスが冴えまくって、さすがのフェデラーでもブレークができないとなると、ワンチャンスを生かせばロディックに勝機が見えてきます。いくらロディックがベースラインでの打ち合いに成長を見せ、ボレーも向上させてきたとは言え、テクニックでは天才の前にひれ伏すしかありません。全てはロディックのサービス次第です。