幹事クリタのコーカイ日誌2009

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6月24日 ● 伊達公子13年振りのウィンブルドン。

 クルム伊達公子が13年ぶりにウィンブルドンのコートに立ちました。最後はあのグラフとセンターコートで大熱戦を繰り広げた1996年の準決勝。それから長いブランクを経て、再びウィンブルドンの芝でプレーをする伊達を見ることになるとは思いもよらぬことでした。

 伊達の相手は世界9位、18才のキャロライン・ウォズニアキ。ジュニア時代からその名を知られた伸び盛りの若手、というよりも、次の女王候補です。ウィンブルドンの前哨戦であるイーストボーンの大会では優勝をしています。この20才年下の強豪選手に初戦で当たるとは伊達もドロー運がありません。

 ところが普通に考えれば圧倒的に不利な状況で、さすがは伊達でした。1セット目、的確な読みと速い展開で、若いウォズニアキにまともにテニスをさせません。伊達ならではのテンポの速いテニスが炸裂し、見事に7−5で1セット目を奪取したのです。13年のブランクがある38才が、世界のトップ10プレーヤーからセットを奪うなどということが現実に起きたのですから驚きです。

 しかし、残念なことに38才はやはり38才でした。全仏で痛めた足の故障がまたも伊達に襲いかかります。2セット目を3−6で奪われた伊達は、勝負のかかった3セット目、1―2となったところで、右ももに痛みが走り、そのままズルズルと立て直すことができずに1−6で落とし負けてしまいました。もし最後まで体調が万全だったら、と思いたくはなりますが、足を故障するところまで含めてそれが今の伊達の実力です。

 いくら善戦しても負けは負け。本当の意味での伊達復活は、やはりグランドスラムで1勝をあげた時こそでしょう。今年残すグランドスラムは全米だけですが、今回のように主催者推薦を受けられる可能性は薄いでしょう。全豪のように予選を勝ち上がって本戦に出場するのはかなり大変ですが、伊達に再び三度の奇跡を起こしてもらいたいと願います。