「白髪の原因はストレス」。そんなことを発表されても今さら全然驚きません。大昔からストレスで一気に白髪になる人はたくさんいましたから。恐らく古代エジプトの人が聞いたって「それで？」と思うことでしょう。

　でもストレスが原因で白髪になることはあっても、白髪だから全てストレスがたまっているとは限りません。ほとんどの人が加齢とともに白髪が増えてくるわけですけど、加齢とともにストレスも増えているとは限らないからです。

　そもそも何でもかんでもストレスのせいにし過ぎるのではないかと思います。血圧が上がるのもストレス、ガンになりやすいのもストレス、ＥＤになるのもストレス。激ヤセしてもストレスなら、激太りもストレス。切れやすいのも鬱になるのも全てストレス。「ストレス」は万能です。

　ちょうどモノが売れないのは、何でもかんでも携帯電話のせいにしているのと似ています。クルマが売れないのも、テーマパークに人が入らないのも、テレビの視聴率が上がらないのも、マンガ雑誌の部数が低迷しているのも、雀荘が潰れるのも、全て携帯電話のせい。若者が携帯電話に時間とお金をかけ過ぎているからいけないんだ、という説明です。

　まあそれもあるかも知れません。でも、それだけではないでしょう。何かのせいにして全て納得しちゃうのは、思考停止と言われても仕方ありません。ストレスと携帯電話を悪者にしておけば自分たちの責任じゃないと言いたげなのは納得できません。