幹事クリタのコーカイ日誌2009

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5月26日 ● 全仏オープン展望。

 いよいよ全仏オープンテニスが始まりました。テニスファンとしては5月後半のロランギャロスから7月上旬のウィンブルドンまでの1ヶ月半が最も心躍る季節です。いつか一度はヨーロッパに滞在してこの2大会をハシゴして観戦したいものです。

 さて、今回の全仏の日本人選手は錦織圭が故障のため欠場、クルム伊達公子も予選1回戦で故障棄権と残念なことになりました。シングルスに出場するのは大ベテラン杉山愛と新鋭森田あゆみの2人だけ。寂しい限りですが、何とか2人の活躍を期待したいと思います。

 男子シングルスの優勝争いはボルグを超える5連覇を目指すラファエル・ナダルが圧倒的に有利でしょう。今季絶好調で迎える自分の庭です。前哨戦のマドリードでフェデラーに1年ぶりにクレーコートで負けはしましたが、5セットマッチのグランドスラムでは体力で勝るナダルの優位は動きません。

 3年連続で準優勝に終わっているフェデラーはもうナダルに勝てないのではと思っていましたが、マドリードで勝って存在感を見せつけました。悲願の全仏制覇に向けて今度こそという思いは強いことでしょう。早い展開に持ち込めば勝機はありますが、フルセットの体力と気力の削り合いに持ち込まれたらナダルには勝てません。フェデラー復活を期待している世界中のファンに素晴らしいテニスを見せてもらいたいものです。

 この2人を追う1番手はやはりジョコビッチ。クレーコートではむしろフェデラーよりもジョコビッチの方が打倒ナダルの可能性が高いかと思います。ただセットは取っても試合には勝てない紙一重の差がナダルとの間にははっきりとあります。この壁を今度こそ乗り越えられるかどうか。

 そして今やジョコビッチを抜いてランキング3位に上がってきたアンディ・マリーですが、クレーは苦手なので期待薄。彼は地元ウィンブルドンにこそ期待すべき選手です。それよりも母国フランスの期待を背負うフランス勢のツォンガ、シモン、モンフィスらが注目です。特に一発のあるツォンガの大暴れはあるかも知れません。

 後はクレー大国スペインのベルダスコと、アルゼンチンのデルポトロ。特にベルダスコはナダルと同じスペインのサウスポーで、同じタイプだけに調子がよければ番狂わせの可能性も十分です。大本命のナダルは動きませんが、対抗フェデラー、ジョコビッチに続く大穴はベルダスコかもと思っています。

 女子はエナン引退以降ずっと戦国時代が続いています。今大会も全くどうなるかわかりません。ランキング1位になったサフィーナ、元1位のヤンコビッチはともに大一番で勝負弱いし、3位に上がってきた好調のディメンティエワも安定感はあるもののベスト4で終わるのが定番。ヴィーナスはウィンブルドンに照準を合わせていそうだし、全豪女王セレナと昨年優勝のイバノビッチは故障からの回復途中ということですし、もう誰が本命かわかりません。ようやく復帰してきた元1位シャラポワにも大きな期待はできないでしょう。

 本命不在のまま穴はベテランのクズネツォバと、今年躍進著しいアザレンカ、ウォズニアッキ。特にウォズニアッキは森田あゆみのライバルだったジュニアの頃から順調に成績を上げてきていて、そろそろ本格化して女王候補に名乗りを挙げる時期だと思います。ルックスも良いし、新しいスター誕生があるかも知れません。