幹事クリタのコーカイ日誌2009

[ 前日翌日最新今月 ]


 
5月25日 ● 上げ底豪華キャストの『MR.BRAIN』。

 『CHANGE!』に続き、またも後出しジャンケンで始まったキムタクドラマ、TBS系土曜夜8時の『MR.BRAIN』。5月後半からスタートして全6回って、いったいどういう戦略があるのか、もしくはキムタク絡みの裏事情でこうなってしまうのかわかりませんが、とりあえず春ドラマが落ち着いたところでスタートしますから注目度の高さは抜群です。

 もちろんTBSが総力を挙げて制作していますから、金もかかっています。セットもCGもしっかり作り込んでありますが、なにより俳優陣が豪華。大河ドラマでも作るのかという気合いの入ったキャスティングです。主演に木村拓哉、共演に綾瀬はるか、水嶋ヒロと若手注目株を揃えて、さらに脇役に香川照之、大地真央、トータス松本、平泉成、田中裕二、設楽統、SHIHO、木下優樹菜、小林克也。あれ、こうやって書くと特別豪華ってわけではないですね。

 実は豪華な感じがしたのはカメオ出演というか、チョイ役とゲストによる上げ底があったからです。ドラマ冒頭で戸田恵子、広末涼子、ユースケ・サンタマリアの3連発。いずれも本筋とは大して関係ありません。ゲストは市川海老蔵、高嶋政伸、そしてラストに次週登場予定のGackt。彼らがちょこちょこと顔を出したから豪華なキャスティングだなぁと感じただけでした。ドラマじゃないけれどこの上げ底は一種のトラップみたいなものですね。

 レギュラー陣を例えば同じキムタクの『HERO』(今回かなり意識して作っていますよ)と比べてみれば特別豪華ではないこともわかります。松たか子=綾瀬はるか、阿部寛=水嶋ヒロ、大塚寧々=大地真央、勝村政信=香川照之、八島智人=田中裕二、小日向文世=トータス松本、角野卓造=平泉成、児玉清=小林克也。まあ似たりよったりのレベル。強いて言えばSHIHOや木下優樹菜にあたる女性陣が『HERO』にはいないので、その分は『MR.BRAIN』の勝ちでしょうか。ちっさい勝利ですけど。

 ストーリーは初回ということで時間延長してじっくり周辺事情まで描いていましたが、正直どうでも良いエピソードが多すぎて煩雑でした。ちょっと冗長というか、途中で「それ関係あるの?」と感じるところがいくつもありました。だいたい海老蔵は本当に今回必要だったのでしょうか?豪華感を出すためだけならもったいないです。

 もっとも土曜8時というお気楽な家族揃ってバラエティタイムのドラマですから、あまりにも「本格」で隙のない構成では視聴者が息が詰まってついていけないかも。リアリティがどうとか言わず肩の力を抜いてコメディタッチのミステリードラマだと思って見るなら悪くはありません。今さらキムタクに愛だの恋だのも期待していませんし。なにせ明らかにもう中年の顔をしていますからねぇ。