幹事クリタのコーカイ日誌2009

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5月21日 ● 楽天三木谷社長を少し見直した。

 楽天の三木谷社長のことは今まであまり良いイメージを持っていませんでした。と言っても、特に興味があるわけでもなく詳しく知っているわけでもありません。単純にホリエモンこと堀江貴文に比べて「世渡り上手」「オヤジ殺し」だという印象から、何となく「いけ好かない」感じがしていただけです。三木谷に比べてホリエモンはバカばっかりやっているやんちゃ坊主な感じで、何かと面白いですからね。

 三木谷が野球の球団を持った時も、本当に野球好きなのか?という気がして、何となくスッキリしませんでした。野球ファンとしては野球が大好きな人にオーナーになってもらいたいものなのに、三木谷は商売上の理由から球団を持ったような印象だったからです。

 ところが今回三木谷は日本で開催されるもっともビッグな男子テニストーナメントである「ジャパンオープン」の冠スポンサーになりました。これまで長年「AIGジャパンオープン」としてテニスファンに親しまれてきた大会が、ご存知のような状況でAIGがスポンサーを降りてしまい、今年はどうなるのかとファンをやきもきさせていたのです。

 そこへ「白馬の騎士」として登場したのが楽天の三木谷でした。彼は一橋大時代にテニス部の主将だったとかで、テニスに対する愛情は人一倍らしく、それで危機に瀕しているジャパンオープンを救うために「楽天ジャパンオープン」にしたそうです。早速ロジャー・フェデラーと錦織圭の参戦も発表され、今年のジャパンオープンも盛り上がることでしょう。

 残念なことに日本のテニス界というのはビジネスとして成り立っていません。企業が出資して元を取れるだけの興業としての力がないのです。だから三木谷のような「テニス好き」がやむにやまれず金を出すことで、何とか成立しています。日本テニス協会の会長を長年(何と今年の春で6期目です)務めている盛田正明会長もそうで、彼が個人的にジュニア育成のためにお金を出してくれたお陰で錦織もアメリカへテニス留学できているのです。

 こうしたボランティア的な個人の意思でお金が集まりテニス界が盛り上がるのは、ある意味では美談ですが、しかしそれでは長続きしないこともまた事実。テニス好きな人が死んでしまったら、後継者が必ずしもテニス好きとは限りません。やはりビジネスとして成り立つようなカタチにしないと、いつ日本のテニスの灯が消えてしまうかもわかりません。

 プレーヤーの数は900万人とも1000万人とも言われるテニス大国日本ですが、「やる」人間に比べて「見る」人間が驚くほど少ないのも日本の特徴です。何か良い手だてはないものでしょうか?とりあえず楽天の売り上げが伸びればジャパンオープンのスポンサーになったことが評価されるかも知れないので、テニス好きはなるべく楽天でショッピングした方が良いかもと思います。