幹事クリタのコーカイ日誌2009

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5月16日 ● 民主党代表選の拙速。

 民主党の代表選は早くも大詰めです。正直、なんでこんな拙速な日程にしたのか、もったいないとしか思えません。もっとスケジュールに余裕を持たせて、若手からベテランまで数人の候補者が立候補し、大いに政権担当への意気込みを語り政策論争をし、そしてマスコミにどんどん登場して顔を売る。総選挙前に最高の民主党のアピールになるのに、わざわざ「こそこそ」と決めてしまおうとしています。一応セッティングしてみた討論会もお互いに同じことを言っていて、新鮮味もなければ緊張感もありませんでした。バカみたいです。

 この拙速な日程を決めたのは小沢だという話です。鳩山を後継者として代表にするために剛腕で仕切ったのだとか。時間をかければ岡田有利だと睨んだのでしょう。実際、民主党の主要議員こそ鳩山支持でも、若手や地方に行けば行くほど岡田支持が広がりを見せているようです。

 それも考えてみれば当たり前で、鳩山は幹事長として長年小沢代表とセットでした。その代表が辞めたら後に幹事長が繰り上がりでは全然変わった感じもしなければ筋も通りません。しかもいま自民党の世襲批判を展開している時に「政界のサラブレッド」「日本のケネディ家」と言われる鳩山では説得力ナッシング。政官財の癒着を断ち切り、官僚組織に巣くう膿を出すなら、頑固一徹で金にクリーンだと言われる岡田の方が期待できると思うのも当然です。

 民主党にとっての大事は来るべき総選挙で政権交代できるか、という一点に尽きます。選挙に勝つために小沢の剛腕が必要だったわけですし、鳩山を支持している議員たちも小沢がバックについていてくれるから鳩山、ということでしょう。決して「友愛」の政治を目指しているというわけでもないと思います。

 逆に岡田を支持している人たちにとっては「選挙の顔」が鳩山で勝てるか、という思いが強いのでしょう。ただそれを言うと、岡田だって知名度の低さや、あの頑固そうでユーモアのかけらもない雰囲気はかなりマイナスになるかも知れません。だからこそ、もっと時間をかけて代表選をやり、岡田の知名度を上昇させながら、柔らかい人柄も演出していきたいところなのに、それを小沢に潰されてしまったのはマズイと思います。

 なにせ「次の総理」選びになるかもしれない代表選です。それをこんなに簡単に済ますようでは、まだまだ民主党はその任にあらずとしか言いようがありません。