幹事クリタのコーカイ日誌2009

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4月27日 ● 名古屋市長選は河村たかし圧勝。

 与野党対決で注目の名古屋市長選挙は、戦前の予想通り民主党推薦の河村たかしが勝ちました。予想通りではなかったのはその票差で、なんと約51万票を獲得。これは名古屋市長選の過去最高得票。次点の細川昌彦が約28万票ですから、圧倒的な大差です。与野党対決の構図、しかも共産党も出ている中で、野党の民主党候補がこれだけの圧勝するとは驚きでした。

 河村の勝因はいくつも考えられます。まず河村たかしという候補者の持っている基礎票。根っからの名古屋人、しかも庶民派でマスコミ登場回数も多くパフォーマンス型の選挙に強い代議士でしたから、市長選に出れば間違いなく勝つだろうとは思っていました。加えて今や名古屋は「民主王国」ですから、河村の基礎票はかなりのボリュームになります。

 西松事件以降、民主党に確かに逆風は吹き始めていましたが、かと言って与党である自公にも大して評価できるようなこともなく、そういう点では時勢はイーブン。そして官僚出身の細川を「官」、自分を「民」の立場に置いたことで、改革を望む市民の期待の受け皿になり得たことも河村圧勝の要因でしょう。細川は松原市長、神田愛知県知事が支持したことで、逆に「後継」候補となってしまい、変化を望む市民から見限られたと思います。

 政策論争では「カット」一点張りで細川側から「実現不可能」と指摘されましたが、賢いことを言う細川よりもバカでもわかる河村の方が支持が広がったことも事実。小泉や橋下のような「ワンフレーズ」で勝利を呼び込みました。長年選挙を勝ち抜いてきた河村の肌感覚が、今回の市長選でも生きたと思います。

 さて問題は当選後にあります。細川側から言われるまでもなく、河村の公約の多くは財源に疑問点がありますし、市議や市職員の報酬カットをはじめ抵抗の大きな政策も多いです。しかも市議会では民主党は少数な上に、民主党市議団はもともと河村擁立に反対でしたから、今後も協力態勢がどこまで整うか不安です。また松原市長も神田知事も細川支持だったように、名古屋の政界も非協力的。下手をすると河村は市長になったものの「裸の王様」状態に陥る可能性も十分です。

 「総理を目指す男」がキャッチフレーズだった河村ですが、まずは市長としてのお手並み拝見といったところ。市政があまりにも混乱するのは困りますが、でもやるからには河村らしく大胆な施策をガンガン実現していってもらいたいとも思っています。