幹事クリタのコーカイ日誌2009

[ 前日翌日最新今月 ]


 
4月4日 ● 男子テニス界の世代交代。

 今日はコアなテニスファン以外には興味がわかない話です。いまマイアミの大会は準決勝。フェデラーvsジョコビッチ、マレーvsデルポトロという組み合わせになりました。そう、ナダルがいません。準々決勝でデルポトロに不覚をとり金星を献上してしまったのです。一般紙のスポーツ欄にも小さくですが「ナダル敗退」と出るほど、最近のナダルは負けるとニュースになるくらい強いので、それを倒したデルポトロの健闘が光りました。

 残る3人は順当に勝ち上がりました。マイアミはグランドスラムに次ぐ格の大会だけに、トップ選手がほとんどエントリーしています。その中でシードを守って勝ち上がる4強はさすがだと言わざるを得ません。もっともナダルも含めた4人がきちんと準決勝に残ったのは昨年の全米くらいで、今回のマイアミは惜しいところで揃い踏みはなりませんでした。

 フェデラー1強時代からナダルとの2強になり、一昨年後半からジョコビッチとの3強、そして昨年後半からマレーが台頭して4強になりましたが、こうなった原因は何と言ってもフェデラーの絶対的な強さが失われたことにあります。無敵だったフェデラーがまずナダルに勝てなくなり、次にジョコビッチにも取りこぼすことが増え、昨年はマレーに負け続けました。3人ともフェデラーより数才若く、彼を倒すことで自信をつけランキングを駆け上がってきたのです。

 フェデラーは昨年前半は病気により調子を崩していましたが、後半にようやく復調して全米も制しました。しかし、一度フェデラーに勝てると自信をつけた他の3人は、もうフェデラーを恐れていません。体調が戻ってからもフェデラーが以前のように勝てなくなったのは、こうしたメンタル面のアドバンテージを失ってしまったことが大きいと思います。

 もっとも世代交代の荒波にひとり抵抗しているフェデラーはやはり大したものです。彼と同世代のロディック、ヒューイット、サフィン、ナルバンディアン、フェレーロといった選手たちは、全てナダル以下の世代に飲み込まれてしまいました。デルポトロのようにナダルたちよりさらに年下の選手たち(その中には錦織も含まれます)も、どんどん下から追い上げてきています。

 サンプラスの持つ14個のグランドスラムタイトルまであと1つと迫っているフェデラーが、世代交代が完了する前にあとどれだけタイトルを獲得できるか。今年せめて1つは取っておかないと、サンプラス越えはかなり苦しくなります。ポイントはやはり昨年ナダルに奪われたウィンブルドン王座の奪回がなるかどうかでしょうね。ああ、今年の7月はイギリスに行きたいです。無理だけど。