幹事クリタのコーカイ日誌2009

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3月19日 ● スモールベースボールの弱点。

 韓国に完敗を喫したWBCの侍ジャパン。直接の敗因は初回に3点を失ったダルビッシュの乱調ですが、しかしそれ以降は完璧に韓国打線を抑え込んだだけに、全く不甲斐なかった攻撃陣こそ責めを負うべきでしょう。特にイチロー、片岡、青木の1〜3番が全くダメ。3人で10打数無安打、出塁は青木の四球1つでは、いくら4番村田が頑張っても点が入らないのも無理はありません。先日書いたように、やはりイチローが足を引っ張ってしまいました。

 長打力のない日本の「スモールベースボール」は、まずどんな形でも良いから出塁をするところから始まります。足の速いランナーが塁に出て、そこから送りバント、盗塁、ヒットエンドランなどを絡めて進塁し、タイムリーが出なくてもスクイズや犠飛やゲッツー崩れでホームに返す。そうやってコツコツと点を取り、それを投手陣と堅い守備で守り抜き競り勝つ野球です。

 ところが肝心のランナーが出ないのでは話になりません。バッティングが不調なだけに四球でも良いから塁に出ようと考えすぎたのか、みんな妙に消極的に見えました。ここが「スモールベースボール」の弱点で、なにせ長打がないからたださえ怖さはないのに、その上にいじましく出塁しようと考え過ぎて積極性を失うと、ますます相手投手は大胆に投げられます。韓国戦では攻撃側が守勢に回ってしまったような野球になってしまいました。これでは勝てる試合も勝てません。

 大味な野球をするアメリカやキューバ相手ならともかく、韓国野球は日本流の緻密さとアメリカ流の豪快さを兼ね備えています(逆に言えばどちらも中途半端でしかないのですが)。スモールベースボールにこだわり過ぎると、かえって相手の術中にはまるということのようです。

 ともあれ、これで日本はキューバとの敗者復活戦に勝つしか道はなくなりました。前回は快勝したとは言え、相手も対策は考えてくるはず。何と言ってもアマチュア最強チームです。全く油断はできません。日本の先発は岩隈。先制点を許さずに耐えていけば、またキューバ投手陣は崩せると思います。カギを握るのはやはりイチローでしょう。彼の不調がチーム全体の士気を下げています。逆に言えば、イチローが打てばチームも乗っていけるはず。キューバに勝って韓国と4度目の対戦をしなければ、韓国に完敗のままこのWBCは終わってしまいます。