ＷＢＣ第２ラウンド初戦のキューバ戦。明暗は先発投手がわけました。日本の先発松坂は見事なピッチングを披露。速球も走りコントロールも良くキューバ打線につけいる隙を与えません。高校時代からそうですが、松坂という投手はパワーで抑え込むというよりも、トータルな完成度の高さで勝負します。球威、変化球の切れ、制球、組み立て、守備も含めて、どれかひとつ乱れると意外に打ち込まれますが、昨日のキューバ戦では高いレベルでまとまっていました。

　対するキューバの期待の若手左腕チャップマンは、自慢の１００マイルを超える快速球が決まらず乱調気味。日本のようなスモールベースボールのチーム相手に制球を乱すと勝負になりません。四球を連発し、最後はヒットを重ねられてあえなく降板。若さが露呈した形になってしまいました。

　日本は理想的な野球を展開できました。コツコツと出塁してランナーを進めて、犠打や相手のミスで点を取る。その点を投手陣と堅い守備で守り抜く。まるで高校野球のようで面白みはありませんが、パワーで劣る以上、この野球が一番勝てる確率が高いのですから仕方ありません。チームが一丸となって勝てる野球をしているいまの状態はなかなか良い感じだと思います。

　第２ラウンド突破をかける次の試合は、メキシコに快勝して勢いのある韓国。早くも今大会３度目の対戦です。日本の先発はダルビッシュか岩隈かわかりませんが、韓国打線は絶好調だけに先発投手が先に点を取られないことが大事です。前回は２人とも韓国相手に好投しましたから、とにかく調子が良い方を投げさせれば大丈夫だと思います。

　それより問題はイチローです。昨日のキューバ戦で先発野手の中で唯一のノーヒット。さらに守備では落球までするというひどさで、足を引っ張っています。昨日は最初から優位に試合を運んでいたから良いようなものの、もし韓国戦が前回のような接戦になったらイチローの不調が敗因となりかねません。調子が悪いからと言って、ベンチにおいとくわけにもいかない大選手ですから、韓国戦では何とか役に立って欲しいところです。 大口叩けるのも実績を残しているからこそ。打てない守れない口だけ番長のイチローではカッコ悪すぎます。