幹事クリタのコーカイ日誌2009

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3月16日 ● 大幅値引きに大成功。

 義父が突然クルマを買い替えたいと言い出しました。すでに買ってから14年たったセドリック(今はないなつかしの車名)が、さすがにガタがきはじめているし、老人の一人暮らし用としては大きすぎるということだったので、それならと買い替え相談員として馳せ参じたわけです。

 義父の希望はセドリックよりもう少し小さくて運転しやすいセダン系のクルマ。高速を走ったりしないのでスピードは大して出なくて良いというだけで、後は乗ってみて決めたいとのこと。候補はトヨタのカローラアクシス、プレミオ、アリオン、プリウス、日産のティーダ、ホンダのインサイトあたりを考えてディーラーに行くことにします。個人的にはゴルフあたりも良いと思うのですが、外車はあまり興味がないらしいので仕方ありません。

 4月からグリーン税制でハイブリッドカーなどは税金が優遇されますが、この3月は空前の決算セールだということなので、気に入ったクルマがあれば即契約、なければ5月の新プリウスの発売を待ってからというのが大まかな作戦です。

 最初に行ったのがまずカローラ店。そこにあったベルタに座って「これくらいで良いな」と義父は言い出しますが、さすがにリッターカーでは小さいし安っぽいので、せめてカローラを見ましょうと勧めます。カローラアクシスの試乗車に乗ってディーラーの周りをくるりと走ってきた義父は「まあまあ」。それほど気に入ったわけでもないけれど、ダメというわけでもないという感想。いかにもそのあたりがカローラです。

 担当営業マンに見積もりを作ってもらったところ、諸費用込みで185万円、約25万円引きを提示してきました。一発で25万円引きはなかなかやります。ただカローラはマイチェンで装備を落としているので、オプションをいろいろ付けています。それだけに値引きしやすいことは確か。恐らく粘ればあと5万円は引けるでしょう。

 「これですぐに決めましょう」とすすめる営業マンを振りきって、次はトヨペット店へ。プリウスを見た義父は「ちょっとケツがでかいな」と、スタイルはイマイチ気に入らない様子。すでに5月に新プリウスが出ることになっているので、残っているのは10周年記念車だけとのこと。在庫処分というのも義父はあまり気が乗らない様子なので、プレミオの方で考えることにします。

 試乗した義父はかなりプレミオを気に入ったようで、「これは良い」とご満悦。年配者向けのクルマだし、旧コロナのプレミオの方がカローラよりも格上ですから、比べれば良いに決まっています。さらにマークXに乗って「これはもっと良いなぁ」と悦に入っているので、それじゃあ今のセドリックとサイズ的に変わらないからと言って、マークXはさすがに諦めさせました。

 プレミオが気に入った義父は「もうあれで良い」と言うので、では後は価格交渉だと「交渉人クリタ」は張り切って商談します。営業マンが出してきた見積もりにはなんと12万円引きの支払総額210万円。渋いです。いくら最初とは言え、3月決算でその数字はないだろうと、かえって交渉人のやる気に火がついてしまいました。

 まずはカローラの値引きを盾にします。「向こうは同じエンジン、ほぼ同じ装備で25万円引きの支払い総額185万円、プレミオの方が車格が上とは言え、差が開きすぎているので話にならない。今からアリオンに言って話を聞いてカローラと比べることにする」と宣言します。

 慌てた(ふりをした?)営業マンは「いくらだったら考えてくれますか?」と探りを入れてきます。本当はあまりこちらの手の内を晒したくはないのですが、義父をあまり長時間の交渉に巻き込むと疲れてしまうので、単刀直入に「カローラが185万円ならプレミオは190万円。5万円分はカローラにはないスマートキー分」と言うと、さすがに本気で営業マンは頭を抱えてしまいました。なにせいきなり20万円値引きを上乗せしたわけですから。

 「今日契約していただければ何とか3月で間に合いますので、それを条件に192万円ではどうでしょう?」と言うので、それでも値引き額が30万円を超えるから良いかなと僕は思ったのですが、一応義父に「どうします?」と振ってみます。ところが義父は「トヨタが2万円ぽっちケチケチしなさんな」と190万円を譲りません。「じゃあせめて1万円だけでも」と粘る営業マンに義父は「1万円くらい大丈夫だろう」と取り合いません。義父のナイスな頑固さに僕が「一度上と相談してきたら?」と提案。「ダメならアリオン行きたいし」と追い討ちをかけることも忘れません。

 奥に引っ込んだ営業マン、戻ってきて「190万円でやります」と言ってきました。値引き額は32万1800円。自動車雑誌で読んだプレミオの値引き限度額は27万円でしたから、5万円以上限界突破。さすが3月決算。セドリックはディーラーの言い値で買ってしまった「カモ」の義父も、交渉したらいきなり20万円も安くなって興奮したようで「こりゃ良い買い物をした、ありがとう」と大喜びです。

 他人のクルマの商談にくっついていって交渉したのは20年前に一度会社の同僚N島さんの時にありましたが、あれ以来のこと。その時も雑誌に投稿したら掲載されたくらい大幅値引きをさせましたが、今回も大成功しました。特に報酬を受け取らないボランティアの交渉人ですが(まあ義父の出費を抑えたのですから回りまわってこちらにも何かしら良いことはあると思いますが)、自分の懐が痛まずに大きな買い物が味わえるだけでも楽しいです。