幹事クリタのコーカイ日誌2009

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1月28日 ● 杉山愛の生涯グランドスラムなるか。

 シングルスでは日本人が全員負けてしまった全豪オープンですが、ダブルスでは杉山愛が勝ち残っています。今年からまた2年ぶりにペアを組んだダニエラ・ハンチュコバとベスト4に進出しました。しかも準々決勝の相手が第1シードのカーラ・ブラック&リーゼル・フーバー組だっただけに、これは優勝に向けて大きな勝利でした。

 この試合はまれに見る激戦でした。1セットオールで迎えた第3セットで、杉山組は2-5の大ピンチ。そこからブレークバックして6-6に持ち込みタイブレークへ。ところがまたタイブレークでも2-6とマッチポイントを握られてしまいます。しかし昨日の杉山組の粘り腰は驚異的で、なんとトータル7本ものマッチポイント全て凌ぎきって逆転勝ちを果たしました。

 実は杉山がハンチュコバとペアを解消したのも、このブラック&フーバー組に全豪で負けたからでした。それから2年、ハンチュコバはダブルスプレーヤーとして長足の進歩を遂げました。もともとシングルスが得意な彼女はサービスやリターンは強いのですが、ダブルス特有のネットプレーに難がありました。しかし、2年経って今のハンチュコバは持ち前の強力なストロークに加えて、ボレーも格段に進歩して杉山を助けることができるようになったのです。

 杉山は過去にダブルスで全仏、ウィンブルドン、全米を制しています。残す全豪さえ勝てばダブルスでの生涯グランドスラム達成となりますから、今年は大きなチャンスです。昨年から今年にかけて日本のテニス界は錦織と伊達に話題を独占されていますが、グランドスラム連続出場の世界記録を更新し続ける杉山も彼らに決して劣るものではありません。むしろ未だに単複両方にエントリーし世界のトップクラスであり続けていることは、彼女の小柄な体格を考えると奇跡とさえ言えます。

 世界中のテニスプレーヤーの中でもっともタフで故障を知らない選手、それが杉山愛です。日本人はもっと彼女を誇りに感じた方が良いと思います。