幹事クリタのコーカイ日誌2009

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1月26日 ● 最高のヒール朝青龍の復活。

 大相撲初場所で朝青龍が白鵬を優勝決定戦で破り復活優勝を遂げました。これで優勝回数も貴乃花を抜いて歴代単独4位の23回。引退の危機を回避し、北の湖の24回を射程に捉えました。「稽古の貯金」がないと言われていますが、今場所後半の相撲を見ているとまだまだ強いですし、年齢的にももうしばらくは取れるはず。大鵬、千代の富士に続く単独3位の可能性も十分に出てきました。

 それにしても今場所の盛り上がりは朝青龍に尽きます。新大関日馬富士が序盤でこけてしまい、早々に両横綱の優勝争いに絞られてしまいましたが、もし朝青龍がおらず白鵬だけだったら、きっと白けた場所になっていたと思います。対照的な両横綱が張り合ってこそ、見ている方も力が入るというものです。

 朝青龍はいかんなく「悪役」としての役割を果たしました。単に強いだけではなく、その態度や言動も以前に拍車がかかったかのような横暴ぶり。敢えて世間の非難を一身に受けようとしているのかと思ってしまうほどの振る舞いは、アンチ朝青龍が燃え上がれば上がるほど、朝青龍の力になっていったように感じました。

 相撲が興行であることを考えれば、これほどの悪役は実に得難いものです。良くも悪くもニュースになりますし、マスコミが叩けば叩くほど朝青龍の一挙手一投足に注目が集まります。今場所の朝青龍を見ていると、協会と横審が大相撲を盛り上げるためにみんなでグルになってやらせているんじゃないかと疑ってしまうほどのヒールっぷりで、これで筋書きがないのならつくづく朝青龍のヒールとしての資質は天才です。彼が完全復活したことを一番喜んでいるのは実は相撲協会だと思いますけどね。