幹事クリタのコーカイ日誌2009

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1月19日 ● 恒例(?)の携帯チェック!

 世の中には見ない方が良いものがあります。幼い子どもにグロテスクなものやエロティックなものを見せないというのは教育的見地から正しいと思いますし、今なら売るにも売れない自分の持っている株の株価とか見ない方が良いです。軒並み購入した価格よりも50%以上も下落しているのを見ると、哀しくなるばかりです。中には10分の1近くまで下がっているものもありますからね。

 そして「見ない方が良い」ものの筆頭が、最近は事件まで引き起こしている夫婦や恋人の携帯電話チェック。これが意外と若い人には当たり前の顔で「見る」という人がいてびっくりします。付き合い始めたら「恒例」の携帯チェックだという人もいたくらいです。着信履歴、発信履歴、メールなどを見れば、その人の人間関係が赤裸々に浮び上がるわけですから、パートナーの携帯電話を見たくなる気持ちはわかりますが、本当は見て良いことなどひとつもありません。

 そもそもチェックしたいという気持ちがあるのは、相手が浮気をしているのではないかと疑っているからです。その場合、本当に浮気している場合もあれば、単なる誤解の時もあるでしょうが、いずれにしても猜疑心に凝り固まった目で見れば、どんな内容であっても疑わしく見えるものです。そして怪しい情報が少しでもあれば、それを元に妄想を膨らませることは間違いありません。

 その結果、ほぼ100%の確率でますます疑惑は高まり、自分の気持ちが抑えきれなくなり、最終的にはひどいトラブルになることは目に見えています。もし怪しい関係が相手に本当にあったとしても、黙っていればそれは発展せずに終わってしまうかも知れないのに、わざわざ表沙汰にしたことで引くに引けないことになる場合もあります。そうじゃなくても、携帯をチェックしたことで相手に不信感を抱かれるし、今後はますます隠すようになるでしょう。良いことなんてなにもありません。

 今の携帯チェックに当たるのは、昔は相手の日記を盗み読むことでした。しかし、いまどき日記をちゃんとつけている人は少ないでしょうし、パソコンで書いてパスワードをかけて保存していたらおいそれと盗み読むことはできません。しかも日記を盗み読むことは「いけないこと」だという意識は誰しも持っていますが、それに比べて携帯をチェックすることは物理的にも心理的にもハードルが低いので、余計に始末が悪いと思います。

 まあチェックされる方にもある程度の責任はありますけどね。安易に携帯をそのあたりに放置しないことも大事ですし、それ以前に疑われるような行為を慎むことです。後ろ暗いことがなければきちんと相手に言えば良いものを、面倒だからとか何とか言い訳をして、ちゃんと説明しないから疑われて、せっかくの関係をぶち壊してしまいます。人と人との関係は築くのには大変な時間と努力が必要なのに、壊すのは本当に簡単です。若い頃にはわからないでしょうけど、年を取ると実感できますよ。