幹事クリタのコーカイ日誌2009

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1月20日 ● 「ライジングサン」世界に復活。

 全豪オープン女子シングルス1回戦に登場したクルム伊達公子。相手は第25シード、世界28位のカイア・カネピ。去年からめきめきと売り出してきて、今年のうちにトップ10入りも囁かれる期待の逸材です。伊達が昨年復帰して以来、カネピはもっともランキング上位の相手でもあります。

 そのカネピ相手に伊達は壮絶な試合を繰り広げました。スコアは4-6、6-4、6-8と負けでしたが、内容は決して売り出し中のカネピにひけを取ってはいませんでした。何より凄いのは、何本もあったマッチポイントを凌いで凌いでクロスゲームにひきこんだこと。そのメンタルの強さは、やはり世界4位まで昇り詰めたことがある伊達ならではだと感じました。

 本当なら石にかじりついても勝ちたい試合でした。グランドスラム本戦にようやく辿り着いたのです。チャンスでした。この試合に勝てば世界に向けて「伊達復活」の狼煙を高く上げられます。世界のテニス界が注目することでしょう。もちろん本戦に進んだだけでもニュースバリューはありましたが、やはり勝利が欲しかったところでした。

 まあ伊達にしてみれば悔しい負けではありましたが、自信、手応えも掴んだのではないかと思います。「やれる」という自信と「ここを改善しよう」という問題点が見つかることが今大会での一番の成果です。今後は世界ツアーを回りながら全仏、ウィンブルドンへと照準を合わせていくのでしょう。奇跡のライジングサンがどこまで高く昇るのか、今年はますます注目です。