幹事クリタのコーカイ日誌2009

[ 前日翌日最新今月 ]


 
1月17日 ● 「ハドソン川の奇跡」に学ぶ奇跡の起こし方。

 アメリカ・ニューヨークで飛び立ったばかりの旅客機がエンジントラブルでハドソン川に緊急着水、乗客乗員155人全員が無事に救出されました。「ハドソン川の奇跡」と言われ、航空機史上に残る救出劇だそうです。

 この奇跡を演出したのは、何と言っても機長の技術と判断。出発したラガーディア空港にも、別の空港にも戻ることは無理と判断し、市街地への墜落を避けハドソン川に着水。と言っても、着水は陸上と変わらない衝撃があり、水上へ降りるには車輪も使えないので胴体着陸と同じ程度の難度だそうで、過去にも失敗したことが何度もあるそうで、この難しい着水をクリアした機長の技術は超一流なのでしょう。

 さらに民間の船がすぐに救助に向かったのも全員救出することができた大きな要因でした。街の真ん中を流れるハドソン川だからこそ飛行機が水没する前に駆けつけることができたわけで、もし水没してしまったら、極寒の川ですから間違いなく犠牲者が多く出たことでしょう。海ではなく街の真ん中の川だったことが幸いしたわけですから、機長の判断が皆の命を救ったわけです。しかも「機長は全員が機外に脱出したあと、2度、機内を行き来し、乗客が残っていないことを確認した」そうで、判断力だけではなく責任感も十二分に持ち合わせていました。

 チェスレイ・B・サレンバーガー機長は元空軍パイロットの大ベテランだそうです。こういうプロフェッショナルの仕事を見ると、「奇跡」というのは偶然ではなく起こるべくして起きた必然なのだなぁと思います。アスリートが見せる奇跡的なプレーも、学者の奇跡的な発見も、俳優の奇跡的な演技も全て同じ。実力もなく努力もしない人間に奇跡は起こりません。実力のある者に運がつくと奇跡になるわけですから。