幹事クリタのコーカイ日誌2009

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1月14日 ● 『ヴォイス〜命なき者の声〜』第1回。

 今クールの月9『ヴォイス〜命なき者の声〜』。大学の法医学ゼミで学ぶ5人の学生の物語で、主役を瑛太、共演に石原さとみ、生田斗真、時任三郎、矢田亜希子ら。『プロポーズ大作戦』のスタッフで作ると聞いて期待したのですが、第1回はちょっと「うーん?」って感じでした。

 突っ込みどころが多いドラマでした。ゼミを勝手に教授が決めてしまうとか、学生が探偵ごっこをしても警察も大学も何も言わないとか、挙げ句に遺族の別れた妻の家に押し掛けて、証拠もない推理(憶測)を聞かせてしまうとか、助けられた子どもが歩いて家に帰ってしまい救急車も呼ばないとか、普通そんな怪我した子どもが家に帰ってきたら親が心配してすぐに事情がわかるだろうとか、「おいおい」連発で困ってしまうほどでした。

 そんなに突っ込むところが多いのだったら、いっそ『プロポーズ大作戦』のようなファンタジーなコメディに仕立ててくれるか、もしくは『ガリレオ』のように謎解きをメインに据えてリアルさは後回しということにしてくれれば良いのですが、あくまでも基本は法医学を通じて命の尊さを学んでいく学生たちのヒューマンドラマ、なので、どうにもそのあたりが据わりが悪くアンバランスな感じです。

 法医学ドラマと言えばかつて『きらきらひかる』がありましたが、あちらはもっとプロフェッショナルな世界だったのに比べ、今回は学生のアマチュアっぽい初々しさが売り(?)なわけですが、やはりこの手のドラマにはもう少し専門家としてのカッコ良さを求めてしまいます。

 ただそうは言っても学生役の5人はなかなか魅力的です。それぞれのキャラクターも立っているし、お互いの関係も好感が持てます。このあたりはさすが『プロポーズ大作戦』で培ったノウハウを上手く生かしている感じがします。彼らをサポートする大人として時任三郎と泉谷しげるも良いですが、問題はこのドラマから復帰の矢田亜希子。かつてのピュアさ、清純さは失われ、かと言って大人の女としての魅力や色気が備わったかというと、そうでもなく、単に嫌味な年増女になっただけ。本人に問題があるのか、役柄に問題があるのかはちょっとまだ判じかねますが、見ていて辛かったです。