大相撲初場所が始まりました。今場所はいろいろと見どころの多い場所ですが、まず新大関日馬富士（これを「はるまふじ」と読ませるのはいかがなものかと）。５大関という重量級番付になりましたが、大関陣はずっとふさわしくないひどい相撲をとり続けていますから、新大関に刺激されて古参大関陣もピリッとして欲しいと思ったのですが、初日は日馬富士と琴光喜に土がついてしまいました。日馬富士はガチガチに硬くなっていたのがわかりましたから、仕方ないと思いますが、琴光喜はちょっと情けない相撲で残念。ただ残る３大関は良い相撲を取っていました。崖っぷちの魁皇は内容云々ではなく勝てばＯＫですが、千代大海も琴欧州もそれぞれ持ち味を出した相撲で、この調子が千秋楽まで続けられれば久々に期待できると思います。

　さて、もうひとつの大きな見どころは朝青龍が復活なるかどうか。初日の相撲は気合いこそ十分でしたが、相撲勘が鈍っている感じでかなり苦戦しました。勝つには勝ったけど、この調子では先行き不安というところです。ただ気合いは入っているようなので、そうそう格下に取りこぼすことはないでしょう。さすがに白鵬に勝つのは容易ではないでしょうが、今場所は１２勝すれば合格点を出せると思います。

　それにしても朝青龍が出場すると場所は盛り上がります。初日からファンは大歓声でした。なんだかんだ悪口は言われていますが、誰よりも存在感のある横綱だけに出ると出ないとでは大違いです。悪役が魅力的なほど映画が面白くなるのと同じで、相撲界も白鵬だけでは面白くなりません。アンパンマンがバイキンマン抜きでは成立しないのと同じです。バイキンマン朝青龍はまだまだ年齢的にも若いのだし、強烈な悪役としてもうしばらくは土俵を盛り上げてもらいたいものです。