幹事クリタのコーカイ日誌2008

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12月20日 ● 『流星の絆』最終回。

 今クールで一番熱心に見たのがこの『流星の絆』でした。最初のうちこそシリアスな東野圭吾の原作と、ユーモラスなクドカンの脚本のミスマッチ感に馴染めませんでしたが、回を重ねるに連れてうまくその個性が溶け合って良い味わいを出すようになりました。

 サスペンスとしての犯人探しは、敢えて原作を読まないで見ていた僕にも途中から目星がついてしまいましたが、このドラマはサスペンスよりも人間ドラマでした。それぞれの登場人物の心理描写の細やかさに力点が置かれていると感じましたし、それはすでに著名な原作があることを意識しての脚本であり演出だったのだと思います。敢えて原作とは違ったラストとエピローグにしたそうですが、これもまた良かったと感じました。

 主役の二宮和也はさすがジャニーズ随一の演技派でした。計算された演技と言うよりは、感性が素晴らしく鋭敏なのかも知れませんが、とにかく彼の繊細な演技があって初めてシリアスとコメディの間を抜けていくこのドラマが成立したのだと思います。

 脇役では三浦友和が秀逸でした。かつて山口百恵の相手役として端正な二枚目ばかりを演じていた青年時代から考えると、これほどの役者になるとは当時誰も思っていなかったのではないでしょうか。中年以降の三浦友和の演技開眼ぶりは目覚ましいものがありましたが、今後初老から老境になるにつれて、どんな役者になるのか実に楽しみです。

 ジャニーズ好きの中学生から大人のサスペンスファン、そしてコアでマニアックなドラマ好きにまで幅広い層に受け入れられるように作られていて、いつもの磯山Pのパターン通り、視聴率はそこそこでも、またDVDが売れるんだろうなぁと感心させられたドラマでした。