幹事クリタのコーカイ日誌2008

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12月4日 ● レコード大賞の不毛さ。

 昨晩フジテレビ系列では人気番組の「ヘキサゴン」や「はねとび」を潰してFNS歌謡祭を4時間にわたって生放送していました。僕は途中でテニススクールに行ったので全部はもちろん見ていませんが、単にジャニーズとエイベックスの歌手が大量に出演して歌っていただけで、合間に昔のヒット曲の映像を流すというお手軽な企画でした。とは言え、紅白歌合戦よりは今年のヒット曲が聴けるだけマシかも知れませんが。

 FNS歌謡祭も昔は年末にその年のヒット曲に贈られる音楽賞だったのですが、1990年に賞を中止して文字通りお祭りに転向。だからこそそれなりに豪華な面子が出てくれるわけで、これが昔ながらの音楽賞レースになると悲惨なことになります。その典型が老舗中の老舗であるレコード大賞。かつては大晦日と言えば「レコ大」→「紅白」というのが定番で、誰が大賞を取るのかは国民的関心事だったのですが、賞レースを辞退する歌手が続出するにつれ、今では誰も関心がない無意味な存在になっています。

 それでも未だに続いているのはTBSの意地だけかと思いますが、実は今月1日にレコード大賞と最優秀新人賞以外の各賞が発表されていました。誰も話題にしないので僕もすっかり見落としていたのですが、優秀作品賞に選ばれた曲のほとんどが「これが今年を代表する曲?」と誰もが疑問に思うような曲ばかりで、しかも最優秀歌唱賞は「女の旅路」の中村美律子。ほら、「女の旅路」と聞いて歌える人、どれだけいますか?ちなみに僕は一度も聞いたことがありません。

 優秀作品賞12曲は以下の通りです。「愛のままで…」(秋元順子)、「アメあと」(w−inds.)、「江戸の手鞠唄II」(℃−ute)、「ギリギリHERO」(mihimaru GT)、「玄海船歌」(氷川きよし)、「JUNGLE DANCE」(谷村奈南)、「そばにいるね」(青山テルマfeat.SoulJa)、「Ti Amo」(EXILE)、「どうして君を好きになってしまったんだろう?」(東方神起)、「Moon Crying」(倖田來未)、「やぁ無情」(斉藤和義)、「輪島朝市」(水森かおり)。

 この中で今年を代表するヒット曲とはっきり言えるのは「そばにいるね」だけでしょう。CMソングとして耳にタコができるくらい聴かされました。後、今年を代表する曲かどうかは微妙だけど、とりあえず認めて良いかなというのが、EXILEと東方神起、倖田來未くらい。mihimaru GT、氷川きよし、谷村奈南、斉藤和義あたりがギリギリでしょうか。ま、ギリギリでもアウトですけど。

 こんな選択になってしまうのは、もう完全に音楽賞が芸能事務所の出来レースと化しているからで、こんなラインアップで「さあ大賞は?」とか言われても白けてしまいます。不毛の一言。恐らくEXILEあたりで決まるんでしょうけど、これじゃあ誰もレコード大賞なんて見るわけがありません。TBSもいつまでも意地張って続けている場合じゃないと思います。

 ちなみに今年でレコード大賞も50回。なんと半世紀も続いてきたわけですが、実際に意味があったのはその前半だけで、後半はずっとこの調子で不毛な賞レースを繰り広げてきました。そろそろ今年で打ち切りという決断が下されてもいいかも知れません。と言うか、やめてしまった方が良いと思います。これじゃあ過去の大賞受賞曲までもが可哀想になってくるので。