幹事クリタのコーカイ日誌2008

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12月2日 ● 悪いのは学校か、喫煙する高校生か、育てた親か。

 愛知県の私立黄柳野(つげの)高校が学生寮に喫煙室を設置していたとして問題になっています。もちろん、建前から言えば高校生の喫煙を学校側が認めていることになるわけですから問題になるのは当たり前なんですけど、実態はそんな軽々しく判断できることではないようです。

 黄柳野高校は不登校の生徒を受け入れて教育する高校です。そんな高校にくる生徒たちの大半が喫煙の習慣があることは想像に難くありません。学校としてはもちろん喫煙習慣をやめさせようと努力をしているわけですが、大人だって簡単に禁煙できないのに、そんな生徒たちが先生に指導されたからと言って簡単にやめるわけがありません。

 厳しく指導すればするほど生徒たちは隠れてタバコを吸います。トイレで吸うくらいならまだマシで、田舎なのを良いことに山林で隠れてタバコを吸われたりしたら、山火事だって起こしかねません。実際に過去にボヤをおこしているそうですから、苦肉の策として高校側は寮内に喫煙スペース(一応「禁煙指導室」という名称だそうです)を設けたというわけです。

 この高校側の苦渋の選択はよく理解できます。先生たちは決して喫煙を勧めているわけではありません。もちろん禁煙させたいのです。ただ、この高校は不登校の生徒たちに授業を受けさせることを目的としています。禁煙セミナーではないのですから、禁煙指導に対する優先順位が下になるのも無理はありません。

 それと問題は親の態度です。今回も「親も容認している」という先生の話がありましたが、僕も大学生と中学生の親として薄々感じていることですが、世の中には子どもの喫煙と飲酒に甘いバカ親が結構いるのです。「酒もタバコもどうせ大人になったらやるんだから、今から覚えておけ」的な感覚で、子どもをバカに育てている親のバカさ加減には本当に腹が立ちます。親が自ら子どもの健康を損ね、子どもに社会のルールを破ることを推奨するなどもっての他です。子どもがタバコを吸っているのを見つけたら、ぶん殴ってでもやめさせるのが親の務めでしょう。それなのに子どものルール違反を笑って眺めている親に、何も言う資格はありません。

 そんな親に育てられた子どもを預かって禁煙させるなんて学校だって至難の業です。黄柳野高校の先生たちの苦労がこの事件でますます増えることは目に見えています。世間もマスコミも非難するなら高校ではなく、喫煙をしている生徒と、それを容認してきた親を責めるべきだと思いますし、もっと言えば世の中の喫煙者全てが責任を感じてもらいたいものです。こういうことがあるたびに、やっぱりタバコ税は大増税して1箱1000円にすれば良いのにと思います。高校生の小遣いではとても買えないようにするのが一番効果的な禁煙指導ですから。