幹事クリタのコーカイ日誌2008

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11月24日 ● 安馬「名大関」への予感。

 九州場所で安馬が13勝を挙げて準優勝、場所後の大関昇進を確実にしました。優勝こそ決定戦で白鵬に横綱の意地を見せつけられて逃しましたが、本割では白鵬を破っているし、他の大関陣にも全勝したのですから、まさに文句なしの大関昇進です。

 最近の大関陣の不甲斐なさはもう完全にマンネリ化していて、魁皇は引退目前ですし、千代大海も琴光喜も年齢を考えると先はそれほど長くはないでしょう。まだ琴欧州は若いですが、膝の具合が良くないのか全く良いところがありません。その中で安馬の昇進は久々に大関らしい相撲を見せられる大関の誕生として喜ばしいものがあります。

 朝青龍がこの先、どれくらい相撲を取る気なのかわかりませんが、もし朝青龍が早々に引退するようなことがあれば、安馬は横綱昇進も見えてくるでしょうが、僕としては安馬に横綱になってもらわなくてもいいから、「名大関」として活躍して欲しいと願っています。

 名大関というのは意外に少なくて、と言うのも、大関としての実力と品格を備えていないと、なかなかそうは呼べないし、そういう力士はえてして横綱に昇進してしまうからです。最近なら若乃花(三代目)がそうでした。あのまま横綱にならなければ見事な名大関ぶりだったのに、横綱になってしまっために短命に終わり、挙げ句に相撲協会からも去って変なことになってしまいました。

 いまなら魁皇が名大関と呼ばれることでしょうが、これ以上晩節を汚すとちょっとその価値も落ちてしまうかも。やはり大関と言えども引き際は大切です。名大関として一番に思い浮かぶのは若貴の父である先代の貴ノ花ですが、僕が子どもの頃なら清国がいかにも名大関らしい大関でした。大鵬や柏戸を苦しめた清国はスマートで品があって実力もなかなかのものでした。そして安馬は大関昇進とともに、この清国のしこ名を襲名するかも知れないとか。これは良い案だと思います。ぜひ2代目清国の名に恥じない名大関になって欲しいものです。