幹事クリタのコーカイ日誌2008

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11月20日 ● 「社会常識が欠落」しているのは誰なのか?

 麻生首相はつくづく頭が悪い男なんじゃないかと思います。マンガしか読まないので漢字が読めないことを立て続けに露呈した後、今度は「医師は社会常識欠落」と発言して、地方医師不足は医師側に責任があるような発言をしたそうです。論旨が不明瞭でどうしてそうなるのかさっぱりわかりませんが、まずは社会常識が欠落しているのは誰なのか、自分の胸に手を当ててよくよく考えてみた方が良いでしょう。

 世の中には批判しやすい職業というのがあります。医師もそのひとつで、何かあると医師が悪いと言われます。他には警察とか官僚とか弁護士、テレビ局や新聞社などのマスコミ、そして何より政治家が一番批判される職業です。とりあえず権威とか権力とかありそうで、しかも経済的にもうまいことやって儲かっていそうな職業の人を標的にして悪口を言うことでスッキリするという構造ができあがっています。

 しかし本当にそんな悪い人ばかりではなくて、僕の知っている限りお医者さんは真面目に医者をやっていますし、国や地方の役人も弁護士もマスコミも、ほとんどの人はみな自分の職業にプライドをもって真摯に取り組んでいます。悪徳医師とか汚職する役人とか「マスゴミ」とか、そういうのはごく一部の限られた人だけで、世間に流通する悪いイメージは映画やドラマや小説で作られたものです。

 確かに中には「専門バカ」な人もいますが、多くは社会常識だってちゃんと持っています。ズレがあるとしたら、それは職業上の立場の違いに発するものがほとんどです。医師の立場からすると、警察の立場からすると、新聞記者の立場からすると、そういう言動を取らざるを得ないということが大半でしょう。そこを譲ることはかなり難しい場合が多いのだろうなと思います。世の中人情だけでは動かないし、動いてはマズイことがたくさんありますから。

 医師なら医師のそういう部分をとらえて「社会常識が欠落」していると決めつける麻生首相の方が、はるかに社会常識が欠落していると言わざるを得ません。居酒屋のカウンターでクダを巻くサラリーマンや主婦のランチタイムのお喋り程度の浅い認識でもって、一国の首相が特定の業種について人格否定のような悪口を言うことなどあってはならないことです。

 「社会常識が欠落」しているのは職業に関係なく、個人個人の問題です。政治家でもちゃんと社会常識を持っている人もいることでしょう。麻生太郎という人が社会常識が欠落しているのは、政治家だからではなく、彼個人の資質に難があったからだろうと思います。ただ、そんな欠陥人間が首相になってしまう今の日本の政治というのは、やはり何かが欠落しているのかも知れません。