幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
11月19日 ● 年金絡みのテロリストなのか?

 衝撃的な事件が起きました。埼玉と中野で連続して起きた元厚生労働省事務次官と奥さんを刺した事件。国の官僚のトップだった人物を狙う、しかも本人だけではなく奥さんまで刺すというこの犯人には、いったいどんな背景と動機があるのでしょう?

 誰でも思い浮かべるのは被害者に共通する「年金」に絡んだ恨みです。しかし、今の年金行政に不満があるからと言って、かつての年金官僚をわざわざ自宅まで調べて襲う意味がわかりません。現在の年金制度に対する不満を表明したいのなら、厚生労働省に爆弾テロでも仕掛けた方がわかりやすい意志表示になります。

 それとも個人的にこの2人の元事務次官に恨みでも持っているのでしょうか?となると、被害者が勤務していた頃にやはり仕事で関わっていた人間の犯行になりますが、厚生労働省としても身内に犯人がいるとは認めたくないでしょう。しかも昔のことですから簡単には調べられませんし。

 単独犯なのか組織的な犯行なのかもわかりません。単独犯ならよく働く奴です。自宅を調べて訪ねていって、連続殺人を狙うなんて、相当にタフで粘り強い奴じゃなければできません。かと言って、組織的な犯行だとするとその目的が不明です。

 メッセージでも恨みでもないとすると、何かの口封じでしょうか?まるで「ゴルゴ13」ですが、当時の年金官僚だけが知っている政治家のヤバイ話があって、それが表沙汰になると政権がひっくり返ってしまうから、その口を封じようとする連中がいると。実は本当のターゲットはまだ殺されていない元事務次官で、今回の事件は彼に対する「喋るなら殺すぞ」という脅しであると。本人は「次はオレだ」と怯えていて、個人的に凄腕のボディガードを雇い、殺し屋の襲来に備えている、なんて、映画か小説みたいになってしまいます。

 それにしても奥さんまで狙うなんて、本当に卑劣です。本人の家族の命を狙って脅しをかけるという話はフィクションの世界ではいくらでもありますが、現実となると重みが違います。今ごろ元事務次官の奥さんたちは怖くて眠れないことでしょう。彼女たちのためにも一刻も早く事件が解決することを願ってやみません。