幹事クリタのコーカイ日誌2008

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10月29日 ● 原はベターだけどベストじゃない。

 紆余曲折を経たWBC監督は巨人の原に決まりました。日本シリーズ進出を決めた現役監督で、主催の読売の監督で、西武の渡辺監督よりも実績があるし、星野に比べて若返りという言い訳も立つ、いわゆる大人の世界の「落しどころ」としては、これ以上はない選択です。少なくとも星野よりは「ベター」でしょう。しかし、果たして本当にそんな政治的な判断で良いんでしょうか?

 星野が固辞した後は「前年の日本一監督」がWBC監督になるという話で進んでいたのだとばかり思っていました。それならそれで基準が明確でスッキリしますが、今回は日本シリーズ前の決着でそうでもありません。またWBCがプロ野球界が総力を挙げて取り組むべきイベントであるなら、現役であるかどうかも今年の成績も無視して「ベター」よりも「ベスト」な監督を選ぶべきでしょう。少なくとも原よりは野村や落合の方が実績もありカリスマ性もあります。また王や野村が候補なら同世代の広岡とか森とかでも良いはずですし、現役監督で唯一立候補していたバレンタインの「やる気」に賭けても良いんじゃないかと思います。いずれも原よりも実績十分な監督ばかりです。

 それでも原だという意見もあるでしょう。確かに中日とのCSでは、原の采配に監督としての成長を感じました。しかし、原が監督では「読売色」が色濃く出過ぎていて、かえって他の球団が白けてしまう可能性があります。オリンピックならともかく、読売の興行であるWBCになぜ我々がそこまで付き合わなければならないのかと他球団に思われたら、選手だって希望通りには出してくれません。残り時間が少ない中で巨人以外の球団が全面的に協力してくれないのは致命的です。そこまでちゃんと考えて原を選んだのでしょうか?

 それにイチローらメジャーリーガーが、原なら参加してくれるという確証はあるのでしょうか?落合ならきっとイチローは参加したと思うのですが、原では何とも言えません。もしイチローや松坂が参加しないのなら、星野でも原でも一緒だったということになってしまいます。僕はアメリカでの決勝はともかく、読売主催の東京でのアジア予選はメジャーの選手に断られてもおかしくないと思います。もしそうなったら、原を選んだ責任を誰が取るのでしょう?それともいつものナベツネ流で、悪いのは全て原だと責任を押しつける気でしょうか?長島や王は傷をつけてはいけないけれど、原ならどれだけ叩いてもOKというのでは、原があまりにも可哀想です。いつも一生懸命な原の足を引っ張るのは結局身内だったということにならなければ良いのですが。