幹事クリタのコーカイ日誌2008

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10月12日 ● またランキングを上げた錦織圭。

 東京有明でのAIGオープンを終えた錦織圭はすぐにスウェーデンに飛んで、ストックホルムオープンに出場しました。順調に勝ち進んだ錦織は準々決勝で第2シードのマリオ・アンチッチと対戦するはずだったのですが、アンチッチが試合直前に急性気管支炎のために棄権。労せずして準決勝に進んだのです。錦織は実力だけではなく運も持っているのだなと痛感しました。こういう選手だからこそ、世界のツアーを回れるのでしょう。

 その準決勝は地元スウェーデンの第4シード、ロビン・ソデルリング。地元の選手でもちろん格上だけに苦戦が予想はされていましたが、結果は1−6、0−6と予想以上の完敗。錦織は右膝を痛めているそうですから、その影響が出たのかも知れません。勝てば決勝で世界7位のナルバンディアンと対戦となっただけに、惜しいことをしました。

 もっとも、今回の4強進出で錦織はまたランキングを上げて60位台になりそうです。日本男子では46位になった松岡修造に次ぐ2番目の高いランキングです。今年1月にはまだ288位だったのですから、1年でここまでランキングを上げることができるとは思ってもいませんでした。今年は100位くらいまでいければ御の字だと考えられていたのですから、この結果は本人も周りも驚きかも知れません。

 しかも錦織はまだプロ転向して1年の18才です。故障の多さが気になりますが、順調に成長すれば来年にはトップ30も狙えることでしょう。30位に入ればグランドスラムでもシードがつきますから、初戦敗退ということも少なくなります。そうすれば安定した成績を残して、ツアーの顔となっていくことができるでしょう。

 かつて日本の女子には井上悦子というパイオニアがいました。彼女が一気に世界のトップ30(1988年に26位)に食い込んだお陰で、その後に続いた伊達、沢松、杉山らが世界トップ10を目指して飛躍することができました。錦織が20年前の井上のように、日本男子テニスの牽引車となってくれることを願います。