幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
10月3日 ● 錦織が消えたAIGジャパンオープン。

 錦織が注目されていたAIGジャパンオープンですが、錦織を含めた日本勢が昨日立て続けに敗退し、シングルスからは全員姿を消してしまいました。日本人的には今年のAIGは「終戦」という感じです。

 まず最初に登場したのは森田あゆみ。日本女子期待のホープはジュニア時代からライバルで、今大会第1シードのウォズニアキと対戦。もっともライバルとは言え対戦成績では引き離されているし、現在のランキングでも136位と16位と大差がついているので、向こうはライバルとは思っていない節もあります。結果もその通りで2-6、1-6と森田の完敗でした。最近上位選手にも少しずつ勝てるようになってきた成長著しい森田でしたが、今回はまだまだという結果になってしまいました。

 そして続いてセンターコートに登場したこの大会には滅法強い「ミスターAIG」鈴木貴男。2年前のこの大会で1000位台に低迷していた鈴木は、なんと当時世界ナンバー1のフェデラーをあわやというところまで追い詰めました。今大会でも世界593位ながら、第1シードで世界5位のフェレール相手にフルセットの健闘を見せてくれました。

 ただ彼はいつもそうですが、善戦しても勝てないんですよね。最初こそいまどき珍しいサーブ&ボレー、さらにはリターンからのチップ&チャージなどで相手がびっくりしてとまどっているうちにゲームが取れても、体力的にフルセットもたないので肝心なところでパフォーマンスが落ちてしまいます。最後に向こうが慣れて本気になってくるとやられてしまうのです。それが彼の限界なのでしょう。世界に最後に残った本格的なサーブ&ボレーヤーかも知れないだけに、もう少し鈴木には頑張って欲しいのですが。

 そして日本のテニスファン待望の錦織とガスケ。日仏の若き天才同士の対決とあって、恐らく世界中の通なテニスファンなら誰もが興味を持つ組み合わせです。しかし、結果は6-1、6-2であっさりガスケの勝利で終わってしまいました。同じタイプの天才対決なら、やはり84位と13位の差が出たカタチ。しかも気持ちの上ですっかり萎縮していた錦織では、格上の方が圧倒的に有利だったということでしょう。ガスケの厚い壁を破れなかったのは残念でしたが、それ以上にもう少しスコア的に競って欲しかったと思います。錦織には鈴木と違ってまだまだこれから先があるのですから。

 さらに2番コートでは藤原里華も不田涼子も続けてストレート負けを喫し、結局シングルスに残っていた日本人選手は4日目で全滅してしまいました。錦織も鈴木も森田も、さらに言えば1回戦負けした伊達もみな上位シード選手に早々に当たってしまったので、ドローに恵まれればもう1つか2つ上にいけた可能性はありますが、それは言っても仕方ないところ。地元日本で開かれる最大のテニス大会だけに、誰か1人くらいは奇跡を起こして駆け上がって欲しかったと思います。

 これで後は世界トップクラスの選手達の競演を楽しむばかりですね。幸い男子は1〜5シードまでが全員勝ち残っていますし。決勝はガスケとロディックの対戦が良いかな。技巧派とビッグサーバーの対戦なら面白くなりそうですから。逆にフェレールとゴンザレスの対戦になったら、ひたすらベースラインで打ち合うばかりだから、ちょっと退屈しそうです。