幹事クリタのコーカイ日誌2008

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9月25日 ● ゴールデンタイムの視聴率1位はNHK。

 今年上半期のゴールデンタイムの平均視聴率でなんとNHKがトップになりそうだということです(こちら)。関東地方の数字ですが、恐らく関東以上に地方ではNHKが強いことでしょうから、全国的な傾向と思って大丈夫でしょう。少なくともこの10年では初めてのことらしいです。

 視聴率アップの後押しをしたのは「ニュース7」「篤姫」「北京五輪」だそうで、オリンピックは4年に一度のことですから、今後もNHKがトップを維持し続けることができるかどうかはわかりませんが、それでもこれまで視聴率トップの座を巡って激闘を繰り広げてきたフジテレビや日本テレビと互角以上の戦いをしていることは間違いありません。視聴率至上主義の民放を抑えての視聴率トップにNHKもニンマリでしょうが、視聴率が取れたからといって受信料まで取れるわけではないのが残念なところです。

 ところで問題はむしろNHKに負けた民放各局にあります。なにせ民放は視聴率がそのまま広告料金に直結していますから、少しでも高い視聴率を取ることが、そのまま会社の売り上げアップになります。受信料で成り立つNHKとはそもそも依って立つところが違うのです。それなのにNHKに負けてしまった民放の広告媒体としての価値低下は深刻です。

 先の記事でも民放の在京キー局の幹部は「我々は社会の空気の変化についていくのが遅れてしまったのかもしれない」と話しているそうですが、実際その通りだと思います。ゴールデンタイムに流れている民放の番組というのは、同じ顔触れが出ている変わり映えしないクイズ番組とお笑い番組ばかりです。ドラマはパッとしないし、ましてや報道番組やドキュメンタリーは、全くNHKに勝負になりません。

 日本人の多くは「面白い番組をやってない」と思うと、テレビを消す人とNHKに切り替える人に分かれます。なんにもないけどテレビを消すのも寂しいと思うと、とりあえずNHKにしておくのです。そんなメンタリティを持っている多くは中高年でしょうが、いまテレビを熱心に見て、金を持っていてモノを買うのも中高年ですから、広告主のターゲットをNHKがガッチリ掴んでいることになります。もしNHKでCMを流せたらどれほどの広告価値があるか測りしれません。

 NHKには今後も視聴率はあまり意識しないで番組作りを進めて欲しいですが、民放には安易な二番煎じ企画ばかりではなく、もっと腰の据わった番組を作って欲しいものです。今のままではどんどん民放の地盤沈下が進んでいきそうですから。