幹事クリタのコーカイ日誌2008

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9月23日 ● 朝青龍に代わって安馬。

 いろいろ場所前に揉めた大相撲秋場所。ピリッとしたところを見せないといけないのに、いきなり横綱朝青龍がピンチです。9日目を終わってなんと5勝4敗。星が悪いだけではなく内容も最悪で、往年の切れもスピードもありません。もともと体が大きいわけではないのに、あれだけ強かったのは、誰にも負けない動きの早さがあったからこそ。それが失われてしまっては勝てるはずもありません。

 相撲界ではよく「3年先の稽古」と言います。今している稽古が3年先に生きる、それだけ稽古をして貯金をしていかなければならないということですが、朝青龍はとっくにその「稽古の貯金」を使い果たしてしまった感じがします。もちろん、今から慌てて稽古をしたって「3年先」にしか使えないのでは、もう手遅れ。いよいよ潮時かも知れません。

 その朝青龍に代わって台頭してきたのが、昨日朝青龍に勝った安馬でしょう。白鵬らとトップに並ぶ8勝1敗ですが、すでに1横綱3大関と対戦して全勝。残る上位戦は白鵬と琴欧州だけですから、かなり有利な状況です。安馬はここのところずっと関脇で勝ち越しを続けていますから、実力的には大関と遜色ありません。初優勝も視野に入れていることでしょう。

 ただ安馬はなかなか大勝ができません。いつも10番勝つのがやっとです。大関昇進のためには3場所通算で33勝が最低ライン。先場所10勝、先々場所9勝ですから、今場所この調子で残り全て勝って14勝して優勝すればギリギリ33勝で合格ライン到達ですが、今後1番でも取りこぼせばアウト。まあ安馬も相撲協会も、来場所に大関昇進をかけるという心づもりでしょう。安馬の力なら昇進可能性はかなり高いと思います。

 白鵬と同い年で同じモンゴル出身、父親も同じようにモンゴル相撲の実力者だったということから、かなり白鵬にライバル心をもっているという安馬。番付でつけられた差を少しでも縮めるために必死でしょう。朝青龍の時代が終わっても、まだしばらくはモンゴル力士全盛は続きそうです。