この夏ドラマは予想通りスカスカで視聴率的にもあまりパッとしませんでしたが、例年各局とも力は入る秋ドラマはどうなっているでしょうか。恒例のドラマ予想です。

　まず織田裕二で大コケした月９ですが、今回もまた外しそうな予感がたっぷりです。掘北真希＆北川悠仁（ゆず）主演のラブストーリー『イノセント・ラヴ』。薄倖の美少女がピアニストと恋に落ちるって、なかなか「昭和の少女マンガ」的設定です。共演も香椎由宇、内田有紀、成宮寛貴、福士誠治と、どんだけ安く済ませるつもりだ的キャスティング。これだけ安易かつ安上がりな月９というのも珍しいんじゃないかと思います。本当はビッグなタレントの主演予定がボツになっての緊急企画かも。当然期待薄です。

　コメディ枠として人気が高いフジ系火曜夜９時は『セレブと貧乏太郎』。もうタイトル通りのわかりやすいラブコメディです。セレブお嬢さまに上戸彩、ワーキングプアな貧乏青年に上地雄輔。人気の上地を主演にもってきたところが売りですが、惜しいのは上戸彩はセレブに見えないし、上地はいかにも育ちが良さそうで貧乏には見えないところ。まあコメディですからリアリティがなくても全然構わないんですけどね。共演に国仲涼子、柏原崇、三浦理恵子、田村裕、山下真司、風間杜夫ときっちり揃えていて、そこそこ期待できそうです。

　内容的にちょっとかぶりそうなのが日テレ系火曜夜１０時『オー！マイ・ガール！』。小説家志望の貧乏ダメ青年がワガママな子役の６才の女の子を押し付けられて一緒に住むことになり、その子役のマネージャーと一緒に振り回されるというコメディ。貧乏青年に速水もこみち、マネージャーに加藤ローサ。他にＹＯＵ、ともさかりえ、岡田義徳、古田新太ら。コメディ好きなら９時１０時とハシゴしても良いかもですが、普通のドラマ好きには普通の人間役のもこみちは耐えられないかも。

　ＯＬ向けのコメディならば日テレ系水曜夜１０時『ＯＬにっぽん』。脚本は『ハケンの品格』の中園ミホ。老舗商社の総務課のＯＬが中国人スタッフの教育係になって奮闘するコミカルなお仕事ドラマで、主演は観月ありさ。共演は阿部サダヲ、浅野ゆう子、東幹久、美波、井上芳雄ら。この手のドラマで一定の支持がある観月ありさですが、どこまで視聴率を取ることができることやら。

　ジャニーズドラマなら日テレ系土曜夜９時『スクラップ・ティーチャー　教師再生』。生徒の立場から教育現場の再生を描くというのがこれまでにない新しい視点です。脚本はベテラン水橋文美江。スーパー中学生（？）たちにHey!Say!JUMPのメンバー（山田涼介、知念侑季、有岡大貴、中島裕翔）。教師役に上地雄輔（掛け持ちで忙しいですね）、八嶋智人、向井理、加藤あいら。ジャニタレ好きなら必見でしょう。

　これに比べて同じジャニーズドラマながら本格的ドラマ好きにも期待できそうなのがＴＢＳ系金曜夜１０時『流星の絆』。原作が東野圭吾、脚本が宮藤官九郎という豪華ペア。東野の原作をクドカンがどうアレンジしていくのかがまず見どころです。主演はジャニーズ随一の演技派二宮和也。共演に錦戸亮、戸田恵梨香。脇を支えるのが三浦友和、寺島進、りょう、柄本明、要潤、設楽統、尾美としのりら。若手演技派とベテランをうまくブレンドしたキャスティングです。原作、脚本、キャストと全て期待できる、この秋もっとも注目のドラマでしょう。

　小説のドラマ化という意味で同じく注目なのがフジ系火曜夜１０時『チームバチスタの栄光』。海堂尊のベストセラーで映画化もされているだけに、内容よりも注目はキャスティングですが、伊藤淳史、仲村トオルのコンビできました。うーん、ちょっとひきが弱いかな？他に城田優、釈由美子、宮川大輔、伊原剛志、鶴見辰吾ら。全体に少々華の乏しいキャスティングです。

　大人の女性向けドラマとして注目されるのがＴＢＳ系日曜夜９時『ＳＣＡＮＤＡＬ』。世代の違う４人の主婦の友情を絡めたサスペンス。主演の４人に鈴木京香、長谷川京子、吹石一恵、桃井かおり。他に沢村一樹、石原良純、小日向文世、光石研、遠藤憲一ら。いかにも主婦狙いですが、日曜夜９時という枠を考えると、あまりドロドロし過ぎると視聴者が離れてしまいそうです。そのあたりのさじ加減次第では面白くなるかも。

　もうひとつ大人向けドラマがフジ系木曜夜１０時『風のガーデン』。なんといっても倉本聡の富良野三部作最終章というの売りです。主演に中井貴一、共演に黒木メイサ、神木隆之介、緒形拳、伊藤蘭、奥田瑛二ら。いかにも倉本ドラマらしい作品になりそうですから、昔からの倉本ファンは必見でしょう。ただし、もう倉本＆富良野は飽き飽きだという人は鼻も引っ掛けないことでしょう。

　僕が見たいのは『流星の絆』、『風のガーデン』、『セレブと貧乏太郎』。サスペンス、ヒューマン、コメディとジャンルも違うだけに３本とも当たりだと良いのですが。