幹事クリタのコーカイ日誌2008

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9月12日 ● 総裁選はゴレンジャーショー。

 自民党の総裁選が始まりました。今回は5人もの候補者が登場しました。本命の麻生太郎、政策通の与謝野馨、初の女性首相を目指す小池百合子、血統と若さの石原伸晃、防衛通の石破茂という多士済々の5人です。バランスが取れた実に良くできたラインアップですが、どうも僕の目からすると、これは誰かが筋書きを書いたのではないかと思えてしまいます。それほどバランスが取れすぎています。

 ガッチャマンとかゴレンジャーとか、戦隊ヒーローものの基本形は5人です。それに当てはめればリーダーのレッドが麻生、対抗するブルーが与謝野、紅一点のピンクが小池、若くて元気なイエローが石原、力持ちのグリーンに石破となりそうです。

 こんなゴレンジャー風な候補者が並ぶなんて、演出家がいるのではないかと疑われても仕方ありませんし、もし本当にゴレンジャーを頭に浮かべて考えたとしたら、やはりマンガ好きな麻生太郎の作ったストーリーだと思ってしまいます。

 誰もがわかっているように、福田の次は麻生という約束は内閣改造前からの既定の方針でしょう。ただ、単に禅譲しただけでは選挙で民主党に負けてしまうから、どうしても総裁選をして盛り上げる必要がある、どうせ総裁選をするのなら、なるべく盛り上がる「出来レース」をやった方が良い、そこで考えられた候補者がこの5人だったと思います。

 しかも、与謝野、小池、石原は選挙区が東京です。激戦の東京で勝ち抜くためには、ここで「総裁候補」として名前を売っておくことが大きなアドバンテージになります。負けるとわかっている総裁選でも出馬に否応はないでしょう。

 問題は果たしてこんな見え見えの茶番総裁選で、本当に自民党の支持率が上がるかどうかです。マスコミもさすがに今回は警戒して、自民党の片棒を担ぐような報道を差し控える動きがありますが、これだけキャラクターを揃えられてしまうと、どうしても食いつかざるを得ません。見え見えでも敢えてやる図々しさが自民党の強さであり、それができないところが民主党のひ弱さだと思わざるを得ません。結果、筋書き通りに自民党が注目されて支持率が上がることになりそうな気がします。まあこんな注文相撲にあっさりはまって、自民党を勝たせてしまうような国民なら、やはりそれに相応しい政治しか持ち得ないということになるんでしょうね。