幹事クリタのコーカイ日誌2008

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9月8日 ● お通夜の席で故人と会話。

 土曜日はひるがの高原でテニス大会に参加し、試合が終わったところでいったん名古屋まで戻ってきてMさんのお通夜に参列、終わったところでまたひるがのまでトンボ帰りしました。お通夜は夕方6時からだったので早めにと思って15分前にいったらすでに多くの人が集まっていました。ようやくの会場の一番後ろの右端の席に座ることができました。僕の前にはサークルのメンバーも座っています。Mさんはうちのテニスサークルにも時々顔を出してくれていたので、知っているメンバーも多かったのです。

 僕が席に座ってからも続々と人がやってきて、会場に入りきれなくなっていました。席数が120くらいしかなかったのに、参列者は軽くその倍でどころか3倍を超えていたのではないかと思うほどでした。それだけMさんに人徳があったということなんでしょうが、僕から見るとなにせ好き嫌いと好き嫌われの激しい人だっただけ通夜に参列している人たちとMさんとの関係を思って複雑な気分になりました。

 一番隅っこの席から焼香する人たちをずっと見ていました。参列者の半分くらいは知っている人ですし、Mさんとどういう関係だったのかわかる人もたくさんいました。焼香する人を見ながら僕はずっとMさんと心の中で会話していました。「Mさん、○○さんきてますよ」「あいつ、どの面下げてオレの通夜に顔を出してるんだ」「まあまあ、そりゃ顔を出さないわけにはいかないじゃないですか」「わかるけど、オレはあいつの焼香なんか受けんからな、クリちゃん、代わりに受けておいてくれ」「なにワガママ言ってるんですか、そんなわけにはいきませんよ、ちゃんと前見ていてください」なんて、ことを話していました。

 「Mさん、あの人なんで偉そうにあんなところに座っているんでしょうね?まるで自分がMさんとさも仲良かったような顔していますよ」「オレはあいつを全然認めてない!」「でしょうねぇ、Mさんあの人のこと嫌いでしたからね」「あの世渡りの巧さは感動的なほどだよ、クリちゃんもオレもああいう真似はできんからな、ある意味認めてやっても良いかも知れん」「認めるか認めないかどっちなんですか?どっちにしても嫌いでしょ?」「みなまで言うな」。

 「Mさん、あの△△さんが泣いてますよ」「うわぁ、悪いことしたな、あんなに悲しませてしまって申し訳ない!オレもあの人には世話になった」「いや、僕も結構悲しんでいるんですけど」「まあクリちゃんにも申し訳ないとは思っているが、あなたはちゃんとうまくやっていくからあんまり心配してない」「そんなこと言わないで僕のことも心配してくださいよ」「大丈夫、オレはもっと心配しなきゃいかん人がいろいろいる」「だったら死んじゃダメですよ」。

 そんな会話がずっと焼香の間、僕の中では続いていました。Mさんが言いそうなことって、だいたいわかるし、今までもあまり外れたことがありません。本当ならこの週末のひるがのでのテニスのことも月曜日にランチしながら話す予定だったのに、相手がいなくなってしまいました。仕方ないので「Mさん、ひるがので若くてやたらと強いボール打ってくる相手と当たって大変でしたよ」「でもうまいことやったんだろ?」「ええ、なんとかごまかして勝っちゃいました」「クリちゃんはそのあたりが巧いからな、オレはハードヒットでしか相手できんから打ち負けたら終わりだ」「大丈夫ですよ、ボールの強さならMさんはまだ学生とタメ張れてますよ」「そうか?そうやってまたオレを煽って。お茶代はオレが出しとく」って、またご馳走になりたいです、Mさん。