幹事クリタのコーカイ日誌2008

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8月25日 ● 北京五輪の日本選手MVPは?

 終わってみれば短いように感じる半月間でした。8月8日に始まった北京五輪はあっと言う間に閉会し、4年後のロンドン五輪にバトンタッチをしてしまいました。オリンピックが始まる前に言われたテロもなく、また大気汚染も食品の安全についても大きな問題はなかったようで、無事に終わったことは中国のためにも世界のためにも何よりだったと思います。

 もちろん、細かいことではいろいろと「中国はまだまだ遅れているな」と感じさせる点も見受けられたのですが、恐らく1964年の東京五輪も1988年のソウル五輪でもそういうところはあっただろうと思います。北京五輪を契機にして、中国がもっと「国際標準」に近づくのなら、それはそれでオリンピックを開いた意味があったというものです。

 個人的にこのオリンピックで印象に残ったいくつかを挙げると、まず日本女子の強さ。柔道でもレスリングでもサッカーでもソフトボールでもバドミントンでも、女性アスリートたちが頑張りました。逆に言えば、男性陣がそれらの競技(ソフトボールに対しては野球)では特に不甲斐なかったということです。

 日本選手団のMVPを挙げるならやはり北島の2大会連続2冠でしょう。これほど国際舞台で強い日本人というのはかなり希少です。敢闘賞はソフトボールの上野。やはりあの3連投は感動的でした。殊勲賞は世界一のペアを破ったバドミントンの末綱・前田組と陸上男子400mリレー銅メダルの4人。そして技能賞はフェンシングの太田。この競技で日本が銀メダルを獲得するなんてまさに快挙です。

 北島だけではなく、柔道の内柴、谷本、上野、レスリングの吉田や伊調らアテネからの連覇組が目立ちましたが、それは裏を返せば世代交代が進んでいないということで、そこがロンドン五輪に向けて一番心配な点です。このオリンピックが終わって、多くの選手が引退を表明したか、もしくは囁かれていますが、もしみんな引退してしまったら、ロンドンまでに次の世代がきちんと育つかどうか心許ない気がします。古い人間がいつまでも居座ることで下の世代にチャンスが与えられない柔道のような場合もあるので一概には言えませんが、やはりベテランには若手への壁となってもらって、後進へ道を指し示して欲しいものです。

 最後に北京五輪全体のMVPはやはりジャマイカのウサイン・ボルトしかいないでしょう。衝撃的というのはこういうことを言うのだと思いました。