幹事クリタのコーカイ日誌2008

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8月16日 ● 大人の我慢と子どもの我慢。

 僕は子どもの頃に早く大人になりたいと思っていました。子どもって大人から頭を抑えつけられて我慢ばっかりさせられる、大人になって自分の好きなようにしてみたいと、ずっと思っていたからです。

 で、実際いま大人になってみると、確かに子どもの頃のような我慢はすっかり縁遠くなりました。食べたいものを食べられるし、行きたいところに行けます。眠くなければ寝なくても良いし、テレビだってマンガだって好きなだけ見ることができます。欲しいものだってお金さえやりくりつけば何でも買うことができます。

 深夜までゲームをやりながら「大人って良いなぁ」と自分でも思ったことがいくらでもあります。宿題もないし、勉強しろとも言われないし、好きなことやって誰にも怒られない生活は、まさに子ども時代に憧れていた毎日でした。

 ところが誰しもわかるように、大人になると子どもの頃とは違った我慢を強いられます。主にそれは人間関係で、子どもの頃なら相手の思惑など気にしないで言いたいことを平気で言えたのに、大人になって年を取れば取るほど、立場の問題だったり、相手の事情を考えたり、周りの目を気にしたり、いろいろな理由で自分の気持ちをストレートに言えなくなってきます。

 僕が自分の言いたいことを一番ズケズケ言っていたのは、子どもでもなく大人でもない大学生〜20代半ばの独身時代でした。生意気盛りで怖いモノ知らずだったし、人を傷つけることも恐れてはいませんでした。失うものはないと思っていたし、失うことの怖さもわかっていませんでした。今、当時の自分の言動を振り返ると恥ずかしくて叫び出したいようなことがたくさんありますし、当時僕に付き合ってくれていた人たちにご迷惑をかけてスイマセンでしたと謝りたい気分になります。

 あの頃に比べると、40代の今はずっと言いたいことを我慢して生きています。当時思ったことのほぼ100%を吐き出していたのに対し、今の僕は半分も口に出していません。もしかしたら20%くらいしか人には話していないかも。それは相手を傷つけるから、という美しい理由よりも、言っても損するだけだから言わない、という打算的な理由によることが多いのですが、ともあれ言いたいことを言わずに生きていることには変わりないし、それはそれでやはりストレスが溜まるものです。

 ここにこうしてアレコレ書いているのも、そのストレスの一部を発散しているからに違いありません。まあ多くの知人友人が読んでいますから、本当の本音は書きたくても書けないことが多いですけどね。もっとも、だからと言って、完全匿名のブログで毒を撒き散らすようなことをしないのは、きっとその毒に自分も当たってしまいそうだからです。大人の我慢は子どものそれよりも毒性が強いだけに、上手くコントロールしないと自家中毒になりますから。