幹事クリタのコーカイ日誌2008

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8月12日 ● 北島の金メダルにスエマエの大金星。

 大会初日はどうなることかと心配された北京の日本選手団でしたが、どうにかこうにか調子が出てきた感じです。2個目の金メダルとなった100m平泳ぎの北島は世界新のおまけつき。世界ナンバー1としてプレッシャーが相当かかっていたのだろうと思いますが、それを跳ね返した精神力の強さがなんといっても一番素晴らしいところです。

 僕は北島の快挙を見ながら、12年前のアトランタ五輪で千葉すずの発言が物議を醸したことを思い起こしてしまいました。優勝候補と騒がれながら予選落ちした千葉は、インタビューされて「オリンピックは楽しむつもりで出た」「そんなにメダルというなら自分でやればいいじゃないか」「日本の人はメダルキチガイだ」などと発言、世間から非難を浴びました。僕は千葉の追い込まれた心理状態を思うと、辛いなと感じましたが、12年たっても千葉が言った状況はなんら変わっていません。むしろより報道は過熱しているように感じますし、その中で北島がどれだけプレッシャーを感じていたかを考えると、インタビューでの彼の涙も納得できます。

 逆にあまり期待されていなかったからこその快挙が女子バドミントンの末綱聡子・前田美順ペアでしょう。世界1位の中国ペア相手の準々決勝は完全にアウェー。また日本のマスコミもファンも人気の「オグシオ」にばかり目がいっていて、実力的には今や互角と言われる「スエマエ」はほとんど無視されていました。

 ただ初戦で苦しんだオグシオに比べてスエマエは絶好調。もし中国ペアを破る可能性があるのならスエマエの方ではないかと思っていました。と言っても、相手は世界1位。よほどのことがない限り難しいだろうと思われていましたが、スエマエの「のびしろ」が予想以上にあったのでしょう。ノンプレッシャーの中で思いっきり暴れ回ったら逆転勝ちしてしまったという感じです。

 さて、これで北島には「勝って当然」の200mが残り、スエマエには「世界1位に勝った」以上、当然この先はメダルを期待されます。ともにかなりのプレッシャーがかかると思いますが、それを跳ね返すだけの精神力があるでしょうか?北島は多分大丈夫だろうと思いますが、スエマエはこの勢いを維持できるか、それともプレッシャーから自滅するかはわかりません。バドミントンの視聴率が跳ね上がることだけは確かでしょうけど。