幹事クリタのコーカイ日誌2008

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7月30日 ● 日本プロ野球ベストナイン。

 日本の野球雑誌の草分け的存在である「週刊ベースボール」が週刊化50周年記念号を発売しています。50年前というと昭和33年。まさにあの長嶋茂雄が巨人に入団し、日本のプロ野球が一気にブレイクした年です。ちなみにそれまでの日本の野球はアマチュア野球全盛で、特に高校野球と並んで六大学野球が人気でした。その六大学野球のスーパースター長嶋が巨人に入団したから、その後のプロ野球人気、特に巨人人気が生まれたのです。

 で、記念号らしい記事のひとつに「これが日本の10人だ!」という恒例のベストナイン(10人なのは指名打者も選んでいるから)企画があるのですが、この選定がいかにも渋いというか古いのです。投手・金田正一、捕手・野村克也、一塁手・王貞治、二塁手・高木守道、三塁手・長嶋茂雄、遊撃手・吉田義男、外野手・張本勲、福本豊、イチロー、指名打者・門田博光。恐らくイチローを除けば四半世紀前に選んでもほぼ変わらないメンバーでしょう。これでは25周年記念号です。何のための50周年だか。

 誰がこんな古臭いメンバーを選んだのかと思えば、大沢親分を筆頭とするプロ野球OB会の200人アンケートの結果だそうで、それならさもありなんというところです。恐らく平均年齢が50代くらいのメンバーが投票すれば、昭和30〜40年代の選手ばかりになるのも当然です。

 もちろん、これはこれで悪くはありません。長嶋も王も現役時代を見たことがない人にはオールタイムのベストナインは選べないというのも理屈ではあります。高木守道、吉田義男の二遊間は、そのプレーを見ていない人には偉大さが決してわからないことでしょう。僕は少年時代に辛うじて彼らの現役時代に間に合っているのでこの選定も理解はできます。

 ただ、野球のレベルアップの著しさを考えれば、もう少し新しい時代の選手を選んでも良いのではないかと思います。王や長嶋の時代にはアメリカ大リーグのチームが秋に日本に試合をしに来ても全く歯が立ちませんでした。遊び気分の大リーガーに良いようにされていたのが昭和40年代です。多くの日本人プレーヤーが中心選手としてメジャーで活躍し、WBCで日本が世界一になるような今とは全然レベルが違うのです。

 そう思うと、僕が考えるベストナインは自ずと変わります。投手・野茂英雄、捕手・古田敦也、一塁手・松中信彦、二塁手・井口資仁、三塁手・中村紀洋、遊撃手・松井稼頭夫、外野手・イチロー、松井秀喜、福留孝介、指名打者・落合博満。まあ恐らく異論も続出でしょうが、オリンピックなどの国際試合の実績も加味して、世界に通用する選手という基準で考えるとこういうチームになると思います。1番イチロー、2番松井稼、3番福留、4番松井秀、5番落合、6番松中、7番中村、8番古田、9番井口。夢のある打線です。逆にこのラインアップに長嶋や王や野村が入っても浮いてしまいます。

 少なくとも週刊ベースボールは企画を考える時に世代を分けて考えて欲しかったですね。そうすればイチローだけ浮いているなぁとは思わずに済んだのに。