幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
6月16日 ● 田村正和は本当に間違えたのか。

 ビール歴44年の田村正和がビールと間違えたというCMでお馴染みのサッポロ「麦とホップ」。もちろん間違えたわけですからビールではないのですが、CMではさらに「田村がビールと間違えたやつとご指定ください」とまで言っているわけで、そこまで言うのなら本当にビールと間違えるのかとCMに乗せられて飲んでみました。

 ・・・間違えません。これはどう転んでもビールとは間違えないでしょう。田村正和個人が間違えたのなら「仕方ないな」と思いますが、CMとして流している以上、サッポロビールにも責任を取ってもらいたいくらいに間違えようもありませんでした。そりゃそうです。これが本当にビールと同じ味なら、サッポロの誇る「黒ラベル」も「エビス」も誰も買いません。

 このCMは本当にこれで良いんでしょうか?もちろん僕はCMに乗せられて買ってしまったのですから、そういう意味では成功しています。でもそれは僕が広告業界の人間だから敢えて「騙されてやろう」と思ったからです。本当に真面目な人が「田村正和がそう言うなら」と思って買って「騙された!」と真剣に怒ったら、サッポロにとってはかなりダメージではないかと思うのですが。また田村正和も広告だからと言って平気で嘘を吐くような人間(もしくはビールの味が全くわからない味音痴)だと思われて大丈夫なのでしょうか?

 それとも世の中の人はすでに「所詮CMで言ってるだけでしょ」と醒めた目で見ているだけの「広告リテラシー」を獲得しているのでしょうか?誰もCMを鵜呑みにしない、信じていないと。だとしたら、それはそれで広告制作者にとって辛い時代です。