幹事クリタのコーカイ日誌2008

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6月14日 ● 錦織圭がナダルに惜敗。

 ウィンブルドンの前哨戦アルトワ選手権3回戦で日本期待の錦織圭が、先頃の全仏オープンで4連覇を達成した「土の王者」ラファエル・ナダルに4-6、6-3、3-6のフルセットで惜敗しました。負けたとはいえ、この結果は錦織の成長を十分に証明するもので、間もなく始まるウィンブルドンが実に楽しみになります。

 錦織は4月インドで行われたデ杯において芝コートで苦杯を喫しました。ベースラインからフォアハンドの強打を中心とするプレースタイルだけに、芝よりもクレー向きなのかと思われましたが、芝でナダル相手にこれだけの試合ができたのですから、決して芝が苦手というわけではないようです。

 もちろんナダルとて赤土に比べたら芝は得意のコートというわけではありません。それでも昨年のウィンブルドンでフェデラーに負けはしましたが、決勝まで進出しているのですから、少なくともフェデラーの次に芝でも強い選手であることは確かです。そのナダル相手に1セットを奪ったのですから、錦織の実力も現在の100位前後なんてものではなく、TOP10に近いのではないかとさえ思わせます。試合後のインタビューでナダルも「彼はとても素晴らしい。必ず世界ランク10位内に入るだろう。トップ5かもしれない。私は100%そう確信する。彼はとても才能ある選手だ」とコメントしているくらいですから。

 もちろん、ウィンブルドンではさらにナダルもプレーのレベルを上げてくることでしょうから、本番でも簡単に錦織がセットを奪えるかどうかはわかりませんが、まだ18才で日々成長している錦織の「伸びしろ」がどこまであるかで、今後フェデラー、ナダル、ジョコビッチの3強を脅かすような選手になる可能性も十分だと思います。

 まだまだ世間での扱いは小さいですが、ウィンブルドンで3強相手にビッグアップセットをやらかして錦織が日本のみならず世界の注目を集める選手になることを期待しています。