幹事クリタのコーカイ日誌2008

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6月10日 ● 凶器を持った犯人からはまず逃げよう。

 秋葉原無差別殺傷事件で被害に遭われた方たちに心から哀悼の意を表します。また怪我をされた方たちが後遺症にも悩まされることなく早期に快癒されることをお祈りします。

 それにしても、たまたま秋葉原を通りすがって、まさかこんな目に合うことになるとは誰も想像がつきません。さらに今回はたまたま犯人が思いついたのが秋葉原だっただけで、日本全国どこででも同種の犯罪が起こり得る可能性があるわけですから、他人事で済ますには恐ろしい事件です。

 まだ犯人の動機その他いろいろな事実関係がきちんと整理されているわけではないので、事件そのものについてあれこれ語るのは難しいのですが、少なくともこうした全く想定外の犯罪者に遭遇した時に自分はどうやって自分や周囲の人たちの安全を守れば良いのかと考えてしまいます。

 アメリカのように銃を乱射された場合は、誰だって銃声を聞いたらとりあえず伏せて身を守りながら物陰に移動するしかないと思います。ただ今回のようにサバイバルナイフを振り回すような犯罪者には、つい立ち向かおうとしたり、そうまでしなくても遠巻きに様子を窺おうとしてしまう可能性もありますが、やはり基本は「逃げる」に尽きると思います。

 なまじ腕に覚えがあると「向かってきたら、こうやって腕を取って、こうやって投げて」などと考えてしまいますが、日頃からそういう訓練を積んできているプロならともかく、素人の生兵法は怪我の元です。逃げるスペースがある限りは逃げるべきでしょう。

 僕は中学時代に剣道をかじり、高校時代は柔道をやっていましたが、それでもストリートファイトをやろうとは思いません。死ぬ気で向かってくる相手にこちらも無傷では済まないからです。まして相手が凶器を持っていたらとにかく戦わないのが一番、どうしても戦うなら被害を極小にするように考えながら戦うべきです。

 で、余計なことかも知れませんが、今回携帯電話で撮影されたと思われる現場写真がネットにたくさん流されているようですが、この写真を撮影した人たちにとても違和感を覚えます。上に書いたようにまず「逃げる」ことを優先すべきだと思いますし、そこに残るのなら被害者を「助ける」ことを考えて欲しいと思います。実際、今回は被害者を助けようとして犯人に刺されてしまった気の毒な人たちもいました。

 そんな危険が残る現場で、血を流して倒れている被害者をパシャパシャと携帯で撮ってネットに晒す神経は僕には理解できません。被害者や遺族の方の気持ちを考えたら、とてもネットで「見世物」になんてできないと思います。

 ネットと携帯カメラというごく最近登場し普及した「文明の利器」が、被害者にとっては犯人のナイフとは別の「凶器」になった気がしました。