注目の競泳ジャパンオープン。北島康介が２００ｍ平泳ぎで世界記録を約１秒上回る大記録を樹立しました。北京五輪直前にこれだけの記録を出したことは、もちろん２大会連続の金メダルに向けて仕上がり順調ということになりますが、今回はそれ以上に話題の英国スピード社の高速水着レーザー・レーサー（ＬＲ）の高性能ぶりが証明されたことになりました。

　北島はミズノとの契約を個人でしているために、他の選手以上に縛りが厳しくオリンピックでもＬＲを着ることはないだろうと思われていました。しかし、契約のために選手が負けるのでは本末転倒。ミズノとしても自社製品で勝ってくれれば良いけれど、逆の目が出た時の批判を考えたら、ここは渋々折れるしかなかったことでしょう。

　北島はこの大会にわざわざ「泳ぐのは僕だ」とメッセージをプリントしたＴシャツを作ってアピールしましたが、結果を見ると泳いだのは北島でも記録を出したのは水着であることは明瞭です。なにせ他の選手たちもＬＲを着て軒並み日本記録を更新したのですから。

　まだ明言はしていないようですが、これで北京ではほとんどの日本選手がＬＲを着て臨むことになりそうです。スピード社は契約の壁を自社の技術力でぶち破ったわけで、これほど会社として誇らしいことはないでしょう。本来なら日本のメーカーこそ、技術力をアピールして欲しかったのですが、逆に契約を結んでいることで安心してしまったのか、製品開発に遅れを取ってしまったようです。

　ミズノの開発者たちは今夜は眠れないほど悔しいことだろうと思います。この悔しさをバネにして、２０１２年のロンドン五輪では堂々と日本の選手のみならず海外の選手たちもミズノの水着を着て泳いでいれば良いんですけどね。