幹事クリタのコーカイ日誌2008

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5月28日 ● 『CHANGE』はどういうドラマなのか?

 キムタク総理があっさり誕生してしまった月9『CHANGE』。3回目にして総理に就任するという展開の速さは予想を超えていました。全7回くらいで終了するつもりなのでしょうか?スタートが1ヶ月遅れているだけに、本当にそうなのかも知れません。

 豪華キャストで金のかかったドラマですし、政治家を真っ正面から描く一種の職業ドラマですから、なかなか見応えはあります。とりあえず見ておこうかなという気にはさせられます。ただ僕にはまだこのドラマをどう見たら良いのかわからない部分があって迷っています。

 理想の政治や政治家のあるべき姿を問いかける社会派ドラマ、なのか。キムタクが総理になって世の中を建て直していく様を描く痛快コメディ、なのか。難しい政治をわかりやすく身近に感じさせるための教養番組、なのか。政界を舞台にしただけで本当に描きたいのは人と人との関わりである集団群像劇、なのか。

 これまでの3回を見た限りでは、どの要素も少しずつ入っていて、総花的というか、的が絞り切れていない欲張りな感じがします。政治家の資質よりも見た目や年齢、わかりやすさで人気を得られてしまうポピュリズムの怖さを描こうとしているようにも見えますし、キムタクが大人の思惑を裏切って世直しをしていくところを楽しく見せようとしているようにも思えます。政治のことを「よくわかんなーい」という10代20代の若者に基本から政治について教えようとしているところもあるし、豪華キャストそれぞれに見せ場を作っているオールスタードラマなところもあります。

 幅広い層に面白く見てもらえるように欲張ったのではないかと思いますが、それだけにドラマとしては中途半端な感じが拭えません。その中途半端さが視聴率で『ごくせん』に負けている原因なのではないかと思います。なにせあちらは「現代版水戸黄門」とでも言うべき、ストーリーもターゲットもわかりやすいワンパターンドラマですから。志は『CHANGE』の方が高いと思うし僕も評価するんですけれど、それだけでは「わかりやすさ」に勝てないというのでは、まさに劇場型政治と同じ構図ですね。皮肉なことに。