幹事クリタのコーカイ日誌2008

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5月19日 ● フェデラーとナダル12回目の決勝戦。

 ハンブルグで行われていたマスターズシリーズの決勝戦は、去年と同じくロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルの対決になりました。去年というのは、ナダルがクレーコートで81連勝というとんでもない記録を続けていたのを、決勝でとうとうフェデラーが止めた因縁の大会。そしてまた1週間後に控える全仏オープンテニスの前哨戦として、極めて重要な大会でもあります。

 今年のフェデラーはウィルス性疾患のせいでずっと不調でした。対するナダルも決して好調とは言えず、ランキング2位の座をジョコビッチに脅かされています。準決勝でナダルとジョコビッチが対戦しましたが、これにナダルが負けていたらジョコビッチとランキングが入れ替わるところだったのですが、辛うじてナダルが激戦を制してジョコビッチの勢いを止めたのです。

 しかし、全仏オープンに向けて2人ともに調子を上げてきていることは確かで、この決勝戦は希に見る白熱した対戦になりました。第1セットはフェデラーが5-1と大きくリードしたにも関わらず、ナダルが見事に盛り返して7-5で逆転。第2セットも同じようにフェデラーのリードをナダルが追いついたのですが、第11ゲームでフェデラーが0-40からサービスエース3本を立て続けに決めてキープ。悪い流れを断ち切ってタイブレの末にフェデラーが取りました。そして第3セットはナダルが本来の「キング・オブ・クレー」の実力を見せて6-3で取って優勝を決めました。

 昨日の試合を見る限りでは、今年の全仏もナダル有利の予想は変わりません。フェデラーもよくここまで復調してきたとは思いますが、ことレッドクレーの上ではナダルを打ち破る術がなかなか見つからないのが現状です。フェデラーの生涯グランドスラムに唯一足りないタイトルをナダルから奪い取れる日がくるのか、まだこの先は混沌としています。

 ところで今回でフェデラーとナダルは12回目の決勝戦だそうです。これは男子テニスではマッケンローvsレンドルの20回、ベッカーvsエドバーグとサンプラスvsアガシの16回に続く対戦数だそうですが、2人の年齢を考えると20回はおろか30回まで伸びる可能性すらあります。すでにその内容においては疑いもなく人類最高レベルのテニスを見せてくれる2人ですが、ライバル対決としても過去の名プレーヤーたちを超えることができそうな気配が濃厚になってきました。