幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
5月13日 ● お子さま向け政治ドラマ『CHANGE』。

 フジテレビ系月曜夜9時、いわゆる「月9」ドラマの『CHANGE』がようやく昨晩スタートしました。5月2週目開始という遅さも異例なら、放送回数未定というのも異例。後出しジャンケンで始めて、視聴率を見ながらどこまで引っ張るか決めようということなのでしょうか?王道を行く月9らしからぬ編成だと思います。

 ただ力が入っていることだけは確かで、キャストはむやみと豪華です。木村拓哉、深津絵里、寺尾聰、加藤ローサ、堀内敬子、風間杜夫、伊東四朗、中村敦夫、神山繁、大林丈史、富司純子、阿部寛。大河ドラマか映画でも作るのかというようなキャスティングです。政治の世界が舞台だけに若者受けする若手俳優よりも渋いベテランが並んでいるのも大河っぽいですし。とどめは主題歌にマドンナ。ドラマ主題歌初で、日本先行発表だとか。

 ただ1回目を見た限りでは、力が入っている割にはそれだけのパワーは感じないというか、つまらなくはないけど深みもコクもないってところでした。いわばお子さま向けのカレーライスのようです。食べられることは食べられるけど、ドラマの浅さが目立って大人向けとは言い難いといったところ。

 かなり政治というものをステレオタイプにカリカチュアしておいて、そこに性善説の主人公を放り込んでピュアで真っ直ぐでひたむきで誠実風味に味付けして出されたわけですが、これではリアルな政治の世界を見ている方が大人には面白いだろうと思います。

 放送開始前からマンガ『加治隆介の議』にそっくりだと言われた設定ですが、確かに良く似ています。と言うか、パクリでしょう。改めてどこが似ているとか指摘するまでもないくらいです。しかもドラマの方がマンガよりも底が浅いので、まるでお子さま向けに『加治隆介の議』を焼き直したような印象です。

 もちろん月9でしかも主役がキムタクである以上、ターゲットは中高年男性ではなく、20〜30代の女性でしょう。だから小難しくてリアルな政治の世界を描くよりも、もっと単純化した方がわかりやすくて受けも良いということは計算の内だろうと思いますが、キムタクが総理大臣になる話ですから、自民党の下手なプロパガンダドラマに陥らないかと見ていて心配になりました。