幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
4月30日 ● クルム伊達公子の球拾い。

 いま岐阜で行われているカンガルーカップ国際女子オープンから現役復帰しているクルム伊達公子。日本のホープ奈良くるみと組むダブルスは本戦からの出場なのですが、シングルスは予選からの出場。これを3回勝ち抜かないと本選にも出られません。1回戦は地元の高校生田島杏奈をフルセットで、2回戦は早大の青山修子をやはりフルセットで何とか下し、本戦出場をかけて3回戦で園田女子大の後輩大西香と対戦しました。

 と言っても僕くらいのコアなテニスファンなら知っていても、普通のテニス好きではアマチュア選手まではわからないことでしょう。田島はトップジュニアの一人ではありますが、所詮まだ高校生。これにフルセットとは元世界4位もさびついたものだと思いました。青山は日本で50位くらいの選手ながら3月の全日本室内ではプロを連破して準優勝したばかり。若さと勢いのある選手だけに苦戦しながらも勝ったのはさすがでした。

 そして大西はインカレインドアの優勝者でこの春に大学を卒業してプロになったばかり。日本でも20位台の選手ですから伊達としても強敵のはず。しかしこれを6-3、6-4のストレートで破って、あっさり本戦出場を決めました。相手はこの3日間でどんどん強くなっているのに、試合内容はどんどん良くなっているのですから、やはり伊達の名は伊達ではありませんでした。

 迎える本戦1回戦の相手は藤原里華。日本のトッププロの1人であり、世界ランキングも200位以内に入っていて、試合経験も豊富なベテランです。藤原に勝てれば、伊達の力は未だに世界レベルの選手とも戦えるということですし、逆に藤原に負けるようでは復活への道はまだまだ遠く険しいということになるでしょう。そういう意味では今回の現役復帰の今後を占うことができる格好の相手です。

 ちなみにカンガルーカップの予選ではボールボーイがつかないそうです。2回戦の青山戦では、かつての世界4位伊達公子が、自分でボールを拾いながら試合をしたというのですから、ちょっと驚きです。本人も「高校生以来」と言っていますが、まあそういうエピソードもまた伊達の復活物語の彩りです。37才の再挑戦がどこまでできるものなのか、今後も目が離せません。