幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
4月27日 ● 聖火リレーの成果は?

 本来ならオリンピックの雰囲気を世界中で盛り上げる絶好のプロモーションである聖火リレー。あれを考案した人はなかなかのアイデアマンです。今回の長野での聖火リレーでもランナーの中には多くの芸能人・スポーツマンが加わっていて、彼らを見たさに集まった沿道の人たちと和やかに楽しくリレーが行われるはずでした。

 ところが実際には一般人は沿道から締め出されてしまい、真っ赤な旗を掲げた中国人と、チベット問題を抗議する市民グループが小競り合いを繰り返す中を、厳重な警備に囲まれて走るランナーの姿はほとんど見ることができず、挙げ句の果てには萩本欽一や福原愛の時などは妨害も受けて楽しむどころか笑顔すら消えてしまうほどでした。

 結局、こんな聖火リレーを行うことに意味があったのでしょうか?何らかの成果が上がったのでしょうか?恐らく警備を含めかなりの費用がかけられたはずですが、それに見合うだけの成果がなければ、何のために聖火リレーなんかやったのか、責任者出てこい!と叫びたくなるような事態だと思います。

 僕が考えるに、今回の聖火リレーの最大の成果は、オリンピック大好きなピュアな日本人に対し、オリンピックというのは極めて政治的イベントであり、またビッグビジネスであるという「大人の事情」を感じさせたことにあったと思います。

 「スポーツは善であり正義である」という信仰に近い思い込みをしている日本人にとって、この聖火リレーの混乱ぶりからいろいろとオリンピックを巡る諸問題について何らかの「気づき」があれば、それがこの聖火リレーの成果かなと思います。ま、そうでも考えないと「やらなきゃ良かったのに」で片付けられてしまいますからね。