幹事クリタのコーカイ日誌2008

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4月15日 ● 東京六大学は天皇杯を返上しては?

 13日の東京六大学野球で早大vs東大は28対0という一方的な得点差の試合になりました。この試合に先発した斉藤は東大を散発4安打に抑えて軽く完封。早大の28得点はリーグ記録にあと1点と迫る大量得点。この試合で早大は最後の2イニングを無得点で終えましたが、多分打ち疲れてしまったのでしょう。本気で点を取りに行けば新記録も可能だったのではないかと思います。

 ちなみにこの試合で早大の泉の挙げた6得点は青木(早大・現ヤクルト)が2002年春の東大戦で記録した個人1試合最多得点タイ記録。さらに言えば、リーグ最多得点記録29点というのも、慶大が東大相手に記録したものです。

 まあこんな記録をいちいち挙げるまでもなく、東京六大学野球というのは「4強1弱1番外地」というのがずっと続いています。早慶明法の4強が順繰りに王座を競い合い、立大は長嶋&杉浦のはるか昔に黄金時代を誇ったものの、基本的には東大の上の5位が指定席。東大にいたってはたまに勝てばニュースになるくらいの弱さです。それは過去の優勝回数にも如実に表れていて、法42早40慶31明31立12東0。過去の実績だけからしたら、東大はこのリーグに相応しいとはとても思えません。全くレベルが釣り合っていないからです。

 過去にも幾度も東大はいらないんじゃないか、代わりに他の大学を入れたらもっと強いリーグになるんじゃないかという議論があったようですが、結局ずっと固定されたこの六大学で構成されたままです。なぜならこの東京六大学野球は一種の「既得権」だからです。もっとも歴史がある大学野球リーグとして別格の扱いを受けていますし、あまつさえ硬式野球で天皇杯を授与されるのは、この東京六大学野球の優勝校なのです。他の競技で「天皇杯」というのは、その競技の日本一を競う大会の優勝者に与えられるものですが、硬式野球だけはなぜかローカルな6つの大学の定期戦の優勝校に贈られるというのですから、いくら歴史的経緯があるとは言え、実におかしな話です。

 しかし、このおかしな話が何となくまかりとおっているのも、ここに東大が加わっているからでしょう。東大の権威があるからこそ、この六大学が別格扱いを受けることができ、天皇杯が授与されていても何となく納得されてしまうのです。東京の私大だけの連盟だったら、早慶戦からの歴史があるとは言え、やはり天皇杯を一部私大が独占しているのはおかしいという議論になると思います。だから東大がどれだけ惨めな試合を繰り返しても、六大学連盟側は東大を外そうとしないのです。

 まあ僕には大学野球の世界がどうであろうとあまり興味はないので、六大学が排他的であろうが構わないのですが、せめて天皇杯はプロ野球を加えた別の大会の優勝チームに与えるようにしてはどうでしょう?一番素直なのは日本シリーズの勝者が天皇杯を受け取ることですが、サッカーのように別の大会を開いても良いので、その競技に参加した誰もが機会を与えられるようにすべきでしょう。六大学だけで天皇杯のたらい回しをするのはあまりにもいびつですし、天皇杯を受けるにはリーグのレベルが低すぎると思いますからね。